日本は前半21分、CKからビトリア(5番)に同点ゴールを許す。本田氏は守備的MFで先発した田中(右から3人目)らを不安視した。右端はGK権田(撮影・村本聡) サッカー国際親善試合(17日、ドバイ)日本代表はカナダ代表に1-2で敗れた。サンケイスポーツ専属評論家の元日本代表MF本田泰人氏(53)が、W杯本番前最後の試合をチェック。MF遠藤航(29)とMF守田英正(27)がコンディション不良で不在だった先発ボランチ陣の動きに不満を漏らし、不安材料と訴えた。
先発メンバーを見て「なんで?」と思ったよ。普通ならW杯本番直前の大事なテストマッチは、初戦を意識したメンバーで臨み、戦術を確認するもの。けが人もいたから回復具合を確認したかったのかもしれないけど、先発の多くがこれまでの控え選手たち。正直、森保監督の考えが分からなかった。
現状での日本の懸念材料はボランチ。遠藤、守田がけがで本番はどうなるか分からない。2人の代わりに田中と柴崎が入ったが、役割を全うするどころか落第点だった。守備ではボールをまったく奪えずに、田中は前半34分のプレーなどミスで逆にボールを失う場面も散見された。攻撃は柴崎が相馬の先制点をお膳立てしたが、見せ場はあの1本。攻撃に転じる回数も少なく、パスの選択肢もない。言葉は悪いが、カナダレベルであの内容ではドイツ、スペインを相手にはできない。
やはり遠藤、守田のボール奪取力、攻撃力は日本にとってなくてはならないものと再確認した。ドイツとの初戦に出場できるか分からないが、2人なくして勝利はないだろう。不安材料ばかりのテストマッチとなったが、収穫は板倉だ。負傷で離脱していたが、状態はよさそう。柴崎、田中に代わってボランチのリストに入るのではないだろうか。
日本の生命線はボランチ。ドイツ戦までに遠藤、守田がどこまで回復するか。大会の命運はそこにあると感じた。(サンケイスポーツ専属評論家)
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