サンケイスポーツでは今季、横浜DeNAベイスターズのWEB特別企画としてファームで奮闘する選手の〝今〟に迫る『若き星たちよ』を配信。第7回は小深田大地内野手(19)。履正社高からドラフト4位で入団し2年目の今季、イースタン・リーグ4位の打率・275、同3位の91安打をマークした。期待の強打者が〝現在地〟を語った。(取材構成・浜浦日向、随時掲載)
――今季を振り返って
「打撃の方では自分が目指していた打率より少し低いですけど、その中でも首位打者争いができたので、緊張の最後2週間を送れた。全員がそういう経験をできるわけではないので、その経験はすごくよかったと思う」
――目指していた打率とは
「(ファームの)下園打撃コーチ、仁志監督からも『3割』ということを言われて、そのために自主トレも吉田正尚(オリックス)さんにお願いした。率を残せる打者になりたいという自分の思いを持って励んで、そこに届かなかったのは、春先になかなか打てなかったスタートの悪さが後に回ってきたのかなと」
――吉田正に合同自主トレを依頼した理由
「2年連続で首位打者を獲っている方なので、一番打っている打者の方にお願いするのが一番打率を残せる方法だと。やはりすごく引き出しが多くて、打ち取られた後の考え方、ネクストでの考え方、カウント別の考え方と、今まで聞いたことのないようなことを聞けて非常に勉強になった」
――具体的には
「今まで詰まりたくないという思いがあったけど、正尚さんに『前に出されたら打者の負け、詰まったら打者の勝ち』と言われて、思い切って振ることができた。『安打は100本あったら、4、5本くらいしか自分の納得したスイングでは打てていない。汚くてもいいからしっかり振ることが大事だよ』とも言われたので、そこを意識して一年間振ってきた」
――構えの位置など、フォームも似ていた
「構えもそうですけど、踏み込む足、春先は今までスクエアだったスタンスをオープンにも変更した。まねをしたというよりも、教えてもらったことをそのまま形にしたという感じ」
――新フォームの手応え
「春季キャンプから真っすぐにすごく強くなり、追い込まれてからも余裕があった。あとは内角があまり好きではなかったけど、オープンスタンスにすることでファウルになるか、いい捉え方をすればライト前という考え方になったので、1年目よりすごくいい状態で迎えられたと思う」
――ファームでは、チーム内で圧倒的に多い376打席に立った
「1年目は真っすぐを全く打てなくて、変化球ばかりを安打にしていたのが、打席に立つことで少しずつ強くなることができた。夏以降に自信がついてきたので、それはすごくありがたかった。1年目も2年目もチームで一番打席数を立たせてもらって、人よりも経験を積ませてもらっているので、それなりの対応をしていかないといけないなと思っている」
――起用もほとんどが中軸。意識したことは
「入団時から(背番号)44番をもらったので、1年目から(前任者の)佐野(恵太)さんのことを追いかけて頑張ろうと思っていた。仁志監督からも『長打率もあって、打点と打率にこだわって、その中で本塁打もたくさんとは言わないから2桁打てるような打者を目標に』といわれた。理想は佐野さんを追いかけてこれからもやっていきたいので、見ながら勉強していきたい」
――今季、故障で一時ファームにもいた佐野から学んだこと
「打席の中でどんなことを考えているかを聞き『打率を残すには割り切りも必要だよ』って言ってもらった。あとはジャイアンツ球場の2軍戦で『左投手のインハイをライト前に打ってくる』って言って、本当に2球目のインハイの直球をライト前に打ったので、さすがだなって思いました」
――本塁打は昨季の4本から、打席数が増えた今季は3本に
「やっぱり本塁打は打ちたいけど、まず一つのことをしっかりやろうと決めていた。本塁打バッターというよりは、自分は首位打者を何回もとれるような打者になりたい。その中で長打もあって、本塁打になってくれればいいという感覚。ただ、俊足でもないので、ある程度本塁打にもこだわっていかなきゃいけないというのはわかっている。そこは3年目、レベルアップするためには本塁打も含めて首位打者を取れるような打撃をしていきたい」
――そのために取り組んでいること
「スイングの軌道を一から変えた。高めの球に対しての打ち方、真っすぐに対しての打ち方は今教わっているので、この期間で自分のものにできるように。そして、12、1月としっかり体をつくって、2月のキャンプで一番いいスタートを切れるようにしたい」
――来季の目標
「3年目なので、まずはしっかり1軍でプレーできることを目標に、ファームにいるときは誰よりも打たないと上がれないと思う。正尚さんからも自主トレのときに『ファームでは無双しないといけないよ』と声を掛けていただいたので、それくらいしっかり結果を残して1軍でプレーできるようにしっかり頑張りたい」
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