1回、打者のスイングを確認する佐々木朗希=札幌ドーム(撮影・長尾みなみ) 侍ジャパン強化試合2022(オーストラリア0-9日本、10日、札幌D)佐々木朗は、まだ公式球になじめていないのかなと感じた。真っすぐは150キロ台後半が出ていたが、空振りがシーズン中のように取れないし、なかなかファウルにもならない。決め球のフォークボールも投げ切れていなかった。何とか無失点でしのいだものの、相手もこれがベストメンバーではないだろう。
日本ハムのコーチだった昨年、東京五輪に出場した伊藤に公式球の感想を聞くと「そんなに違和感はなかった」と答えた。この日も3番手で1回無失点と、個人差があるのは確か。佐々木朗は最終メンバーに入る力を持っているだけに、どこまで慣れるかだ。
本番では球数制限があり、特に1次リーグは先発に6、7回という長いイニングを望めない。栗山監督も課題に挙げているように〝第2先発〟が大事になる。
先発投手がロングリリーフに回るのは難しい。先発時と準備が違うし、登板はゲーム展開次第なので時間も読めない。しかも、うまく試合に入らないと試合を壊してしまう可能性がある。極論すれば、先発より難しいポジションかもしれない。
今回の強化試合では2番手として高橋宏が3回、宮城が2回、戸郷が4回、この日は高橋奎が2回をいずれも無失点。みんな公式球に対応できていたし、若さがあって楽しみだ。大きな収穫だったと思う。(本紙専属評論家)
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