六回、近本が2点タイムリー。誕生日を自ら祝った(撮影・佐藤徳昭) 侍ジャパン強化試合2022(日本8-1オーストラリア、9日、札幌D)北の大地で自らの誕生日を祝う快音を奏でた。一つ年齢を重ねても、侍のユニホームを着ていても、近本(阪神)は何一つ変わらない。低めの球をすくい上げるようにして外野へと運び、うれしいバースデー・タイムリーだ。
「球種はカーブでしたがよく当たったなと思いました。誕生日にタイムリーが打ててよかった。ホッとしています」
5日の日本ハム戦と同じく「1番・中堅」でスタメン。六回、佐藤輝(阪神)のタイムリーで1点を追加し、源田(西武)が右前打でつないで1死一、三塁で打席へ。相手は左腕のケネディにスイッチし、暴投で二、三塁とチャンス拡大。5球目の低めのカーブに食らいつき、左前へ落とした。プロ入り後初の国際試合で「H」ランプを灯し、「日本にはいない、背が高くて(198センチ)腕が長いピッチャー。楽しみながら打てました」。一塁上では満面の笑みを浮かべ、28回目の記念日に自ら花を添えた。
試合前の円陣での声出し役は村上。近本の誕生日も祝福した=札幌ドーム(撮影・佐藤徳昭)チームメートから受けた多くの祝福に、なんとしても結果で応えたかった。試合前の円陣で声出し役を務めた村上(ヤクルト)から「近本さん、誕生日おめでとうございます!」と祝われ、宿舎では普段では交流の少ないパ・リーグの投手たちからも声をかけられた。「なんで知ってんのやろと思った。びっくりした」と照れ笑い。ヒットの直後に代走が送られて4打数1安打でベンチへと下がり「もうちょっと打ちたかったな」と本音を漏らした。
「こういう短期決戦で(普段)見ないピッチャーなので。そういうところで全打席(勝負に)いかないといけないのかなと思った」
強化試合出場2戦で計8打数2安打。侍ジャパンの外野手にはライバルが多いが、近本は来年3月開催のWBCの本大会の出場も見据え、牙を研いでいく。(織原祥平)
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