冬に備えて荒食いをする秋のマダイシーズンが開幕した。がまかつフィールドテスター、平井憲さんが和歌山・みなべ堺港から純栄丸(湯川佳基船長)で出船。二枚潮というあいにくの悪条件の中、船をアンカーで固定させて狙う「かかり釣り」でのテンビン釣りで狙った。
◆塩と風を読んで
10月中旬を過ぎるとみなべ沖では、かかり釣りや流し釣りでオキアミを使ったコマセでのマダイ釣りが始まります。これから12月いっぱい正月のにらみ鯛狙いの太公望たちがやってきます。
この日は朝10時過ぎに、マダイ釣りの取材ということで、みなべの釣りエサメーカー「浜市」(HAMAICHI)でこのマダイ釣りに欠かせないオキアミと、サシエのGクリルを用意していただき、港に11時過ぎに入りました。純栄丸では常時HAMAICHIのオキアミを用意しています。船でのオキアミはサシエに十分使えますが、サシエ用にGクリル2L・3Lを用意すると便利です。オキアミを選別してあり、程良く締まり不凍加工なので即使えます。
11時半頃、クジで釣り座を抽選。正午に釣り人5人で出船し、約30分でみなべ沖のポイントに到着。水深58メートルにアンカーを入れて開始。釣り座は左舷ミヨシで、風は北東、上潮は船のトモに流れ、底潮は右舷にわずかに戻る程度の二枚潮で厳しい状況。私の左舷ミヨシの釣り座は潮上となり、さらに悪条件です。
まずは潮下(シオシモ)のトモの方が45センチのマダイを釣り上げたもののその後は、底潮が動かず、マダイの活性が悪く皆さん苦戦。でもこのような悪条件でもどうにか釣らせてくれるのが、湯川船長。潮と風を読みアンカーを打ち直す。タナは底から8メートル(マキエカゴの位置)。仕掛けを下ろし、タナ手前から徐々にブレーキをかけて糸フケを取り、指示タナより、仕掛けをハリス半分程下ろしマキエをまきながら、指示タナの位置に巻き上げ、アタリを待つ。5分で大きく竿をあおり、エサを振り出し、ラインを1メートル程ゆっくり送り込むと、コツコツの前アタリだ。
◆44~51センチを3匹
竿を下げ、ラインを送り、竿に乗ったアタリで大きく乗せアワセると、チャンネルマークⅡが弧を描いた。心地良く竿を叩く引き。首を振り海面に51センチのキレイなマダイが現れた。
私の釣果はマダイ3匹(44~51センチ)、小ダイ1匹(28センチ)、イトヨリ3匹(34~43センチ)、イサキ1匹(33センチ)、アジ2匹(38、40センチ)、ヨコワ3匹(リリース)。数型ともに納得とはいきませんでしたが、二枚潮と潮上の悪条件の中、Gクリルと食い込み重視釣法で13回のアタリを取り、バラし無しの釣りができたので そこは納得での納竿としました。
この日の船中5人の釣果はマダイ9匹(42~53センチ)、小ダイ6匹、メジロ1本、イトヨリ30~43センチ、マアジ37~41センチ、イサギ30~33センチ。マダイのアタリダナは、底から7メートルでした。この日の水温は23・9度でしたが、22度を切るとマダイ釣りの絶好期に突入します。これから数、型ともに期待が持てます。この日のような悪条件でもどうにか釣らせてくれる純栄丸に乗船してみてください。(がまかつフィールドテスター、平井憲)
【餌・投入のポイント】
マキエカゴにオキアミを7分目程入れ、サシエは尾羽を切り取り、そこからハリ先を腹側に抜きオキアミが真っすぐなるように付ける。または1匹掛けした腹側から出たハリ先を、腹から尾に向けて刺し、腹合わせに2匹掛けする。この時もエサが回転しないよう尾羽を切りエサが真っすぐなるように付ける。この日のように潮の速い時は、とくに真っすぐ刺さないと、サシエが回転して食いが悪くなる。
仕掛けの投入は、潮下に他の乗船者の仕掛けがある場合、テンビン・マキエカゴから投入、ハリスを持ち誘導して先バリ手前で道糸に絡まないよう放す。潮下に他の乗船者の仕掛けがない場合はハリ先から投入しても良いが、風の影響などで船が振ることがあるので、投入時は周りの状況を的確に判断しましょう。トラブルを避けることが、釣果につながります。
【基本のタナ取り】
船長の指示タナがあるときはタナからハリスの約半分、ハリスが6メートルならば指示タナからコマセカゴを2~3メートル落とし、1回目のマキエをし、そのまま指示タナまで巻き上げ2回目のエサを撒き、アタリを待つ。本アタリがなくサシエが取られるようであれば、タナを上げ、サシエが残るようであれば、タナを下げてその日のアタリタナを探る。
指示タナがない場合、正確に底ダチをして底からハリスの半分程の位置で1回目のマキエをし、残りのハリス分巻き上げ2回目のマキエをする。後は指示タナのある場合と同じ要領である。
◆…純栄丸では、がまかつ竿「チャンネルマークⅡ MH-2・7m」「がま船シーファング真鯛50号2・7m」「がま船真鯛ハイパースッペク2・7m」が試釣できます。ご希望の方は 船長にお申し出下さい。
仕掛けも船に常時用意してあるので、必要な方は船長まで。探見丸対応船で、スマホのアプリでも魚探機能が可能です。
この記事をシェアする