「日本シリーズを見て何を感じたか」。本紙専属評論家の江本孟紀氏(75)が問いかけた。矛先はヤクルトとオリックス以外の10球団。とりわけ、あの巨大軍団。「今こそ誓いの時」と決意を促した。(構成=内井義隆)
--オリックスの日本一で今季が終了しました
「シリーズ直前には、ハッパをかける意味でもヤクルト連覇を推した。実際には、その前の週刊エモトで指摘した通り…」
--はい。どちらに転んでもおかしくない、と
「やはり予想は難しかったな。そもそも、だ。それ以前の段階で予想を裏切ったチームがある。もちろん、すべてのチームに問いたいことではあるけど、日本シリーズを見て何を感じたか、そこが問題だ、巨人サンとソフトバンクさん」
--おっと、名指し
「あれだけの戦力を抱えて、優勝予想も多かったわけだから、反省してもらわないと」
--確かに
「オリックス、ヤクルトと比べて足りなかったところは? 上回っている面は? 自分たちがやるべきことは? シリーズをながめているだけではなく、検証と再構築をしなくてはいかん」
--はい
「そして、そのためにあるのが秋季キャンプだ。有名なのは1979年、巨人・長嶋監督が中畑、篠塚、江川、西本らを鍛え上げた『地獄の伊東(静岡)キャンプ』。シバきも辞さない猛練習で、のちの優勝チームを作り上げた」
--いまや伝説です
「秋季キャンプはえてして、若手に主眼が置かれがちだけど、ポジションに安住している主力を突き上げる意味でも、重要になる。選手にとって心身ともに、来季への誓いの時。首脳陣も新たな顔ぶれになるし、チーム全体、誓いの時だ」
--なるほど
「球団も、働かなかった選手に減俸を言い渡せばいい。選手の誓いもますます新たになる」
--それも、なるほど
「たまには息抜きでゴルフもいい。その代わり、やるからにはボールをたたき割るくらいのスイングをしなさい。とにかく、決意と反発心を前面に出して、これからの季節を有意義に!」
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