どんな時も心のよりどころになってくれる〝お守り〟がすぐそばにあった。今季、投手3冠(最多勝、最高勝率、最優秀防御率)に輝いた阪神・青柳晃洋投手(28)がプレーの励みになったと話すのが、地元の子供たちから送られてくる手紙の数々だった。
昨年12月に、生まれ故郷である横浜市鶴見区の市立小学校、市立保育園にシーズンの勝利数に応じた金額分の本(絵本)や物品を寄贈した。同7日は寄贈先の母校などを訪れ、子供たちと交流。それ以降、学校などからたくさんの感謝の手紙が球団宛に送られてきた。
「ありがとうございます、みたいな内容のものが多いですね。学校に通っている子供の親がSNSのダイレクトメッセージとかで連絡してくれたり。少しでも役に立てたならうれしい」
シーズン中にも届いた子供たちからの手紙を時間を見つけては読み、ロッカーに大切に保管した。寄贈した学校のなかには、図書室に「青柳コーナー」というブースが作られた学校もあったという。
読書家の右腕自身もシーズン中、時間を見つけては本を開いており、「移動中とか、ホテルの部屋とかで読むことが多いです。今は(コロナ禍で)外食とか外出もできないし、部屋で過ごす時間も多いので」と明かした。本を選ぶ基準はシンプルで「どんな本がいいか分からないのでジャケ買いみたいな感じ」と笑顔で語った。
地元の横浜スタジアムでの相性も良く、昨季から負けなしの3勝(4試合登板)で防御率1・80。小さな〝はまっこ〟たちからのエールを力に、青柳はこれからも虎の中心投手としてマウンドで結果を残し続ける。(織原祥平)
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