サンケイスポーツ専属評論家の江本孟紀氏(75)が「動向報告システム」導入を提唱した。ドラフト会議でプロ入りした選手の成長過程を、1年後に公表するもの。大多数は騒がれるだけ騒がれて、あとはサッパリ。これではさまざまな面で、もったないという。(構成・内井義隆)
--ドラフト会議が20日、盛大に開かれました
「アマチュア選手のプロ入りが大騒ぎされるのは、期待の表れで、プロ野球人気の反映でもあるから、それはそれで結構なことだよ」
--他のプロ競技には、ない現象ですからね
「注目のルーキーが、来春のキャンプで出そろって、また大々的に報じられる」
--スポーツ紙にとって、冬から新春まではネタ枯れの季節でして
「しかし、シーズンに入ればルーキーの話題は遠のく。1軍でいきなり活躍する選手は限られるからね。100人以上がプロ入りしても、一部を除き、とたんに動向がわかりにくくなる」
--確かに
「そこで、だ。1年が過ぎて次のドラフト会議が始まるころ。各球団は前年のドラフト選手の成績と成長過程を報告して、プロ野球界として公表したらどうだろう」
--なるほど
「それもファンサービスだ。球界には、獲得した選手を育てる責任がある。マスコミには、大騒ぎした選手の現状を伝える責任がある」
--おっしゃる通りで
「現状を報告されれば、当事者の選手にとっても辱め…いや、励みになるのではないかな」
--なる…でしょうね
「プロ入りを目指すアマチュア選手にも、参考になるだろう」
--なります!
「ちなみに俺は1971年、東映にドラフト外の横道入団で…」
--横道、ですか
「2月16日に東京・日本橋の球団事務所で契約して、その足で静岡・伊東キャンプに合流。翌日の一部新聞で『東映 江本入団(熊谷組)』の1行しか報じられなかったけど…」
--さびしい扱いで
「これからのプロ野球発展のためには、ドラフトだけで終わることなく、1年ごとに、公表システムを導入すべきだと思うよ」
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