プロレスラー、藤波辰爾(68)が15日、東京・芳林堂書店高田馬場店で行われたスポーツライター、堀江ガンツ氏の著書「闘魂と王道―昭和プロレスの16年戦争―」(ワニブックス、税込み1980円)の発売イベントに出席した。
14日に営まれた師匠、アントニオ猪木さん(享年79)の告別式に参列したばかり。故人のイメージカラーだった赤のネクタイで登場し、「お骨上げまで参加しました。こんな場面に遭遇させてもらえるとは思ってもなかった」としみじみ。「(自分もプロレス界も)猪木さんがいてのこと。自分の中では受け入れられない。言葉にならない…」と声を振り絞った。
16歳のとき、猪木さんに憧れて日本プロレスに入団。「頑張れよって言ってくれて、そのときの威圧感がずっとトラウマで、つい最近までまともに会話できませんでした」と振り返った。
猪木さんが新日本プロレス(新日)を旗揚げした際、藤波も参加。「若手の試合のときは(覇気のない選手がいると)竹刀を持って控室から出てきて殴られていた」と証言。「いいか全日本プロレス(全日)に負けるんじゃないぞ」と、ことあるごとに選手やスタッフに発破をかけ、ジャイアント馬場さんが立ち上げた全日にライバル心を燃やしていたという。
1988年に藤波が新日の世代交代を訴え、猪木さんにメイン戦の座を自分に譲るよう直談判した「飛龍革命」と呼ばれる出来事をプロレスファンのタレント、ユリオカ超特Q(54)と再現。「猪木さんから『やれるのか、おまえ』と、新日本プロレスを背負える覚悟を問われて…。この左手が猪木さんをビンタしたんですけど、張り手の感触が今も残っています」と懐かしんだ。
同書は、堀江氏が猪木さんの亡くなる約3カ月前だった6月下旬に約30分間、リモート取材した〝最後のメッセージ〟が収められている。
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