4団体王座統一戦へ向け会見する井上尚弥=横浜市西区(撮影・斎藤浩一) プロボクシングWBA、WBC、IBF世界バンタム級統一王者の井上尚弥(29)=大橋=が13日、横浜市内で会見し、12月13日に東京・有明アリーナでWBO王者のポール・バトラー(33)=英国=と、アジア選手で初めて4団体王座統一戦を闘うと発表した。勝てば男子では全階級合わせて史上9人目の4団体統一王者となる。
井上が熱望していた4団体統一戦がついに正式発表された。2018年5月にバンタム級初戦で、WBA世界同級王者のジェイミー・マクドネル(英国)に1回TKO勝ちして踏み出した4団体統一への道は、最終盤を迎えた。
「バンタム級に上げてからすごく充実した闘いができていて、ここまでの道のりを長いなとは思わず、本当に充実した日々でこの日を迎えることができた」
井上は報道陣が殺到した会見で、多くのフラッシュを浴びながら一言一言、丁寧に言葉を紡いだ。6月7日にさいたまスーパーアリーナで、WBC王者だったノニト・ドネア(フィリピン)との再戦に2回TKO勝ち。日本選手初の3団体統一王者となった。4団体統一は男子では全階級合わせて世界で8人しか成し遂げていない大偉業。アジア選手、スーパーフェザー級以下の軽量級ではともに達成者がいない。しかも4団体の王者を1人ずつ倒しての統一となれば史上初となる。
会場は昨夏の東京五輪でバレーボール、東京パラリンピックで車いすバスケットボールを行うために新設された1万5000人収容の有明アリーナ。今年8月に再オープンし、プロボクシング興行は初開催だ。
「4団体統一戦に向け、自分は世界のボクシングの歴史に名を刻み、日本ボクシング界の歴史を塗り替えていきたい。そのために、残り2カ月やれることをやり、100%の状態でリングに上がる」
ベビーフェース・アサシン(童顔の暗殺者)の愛称を持つバトラーについては「非常にまとまった、穴のない選手」と警戒しながらも「少しずつ弱らせていき、仕留めるイメージ。圧倒的な力の差を見せて、4団体統一を成し遂げたい。必然的にKO勝ちになると思う」と自信は揺るがなかった。
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