現段階ではNPB(日本プロ野球機構)の選手としては引退するが、今後に関しては未定。父・一寛さん(現大分高監督)が高校野球の指導者だったため、生まれたときから野球に触れてきた。内川自身、さまざまな形で野球に恩返しをしたいと考えており、野球への携わり方を模索していく。
横浜(現DeNA)時代の2008年には右打者最高打率の・378を記録した内川また、プロ16年目の嶋も今季限りでの引退を決断した。国学院大から07年に楽天に入団し、野村克也監督(享年84)の薫陶を受けた。13年には正捕手として、プロ野球記録のシーズン24連勝を記録したエース・田中将を中心に楽天の悲願の日本一に貢献。11年の東日本大震災発生後の4月には選手会長として「見せましょう、野球の底力を」とスピーチし、被災地の復興に向けて先頭に立った。
20年にヤクルトへ移籍。ベンチの中では盛り上げ役であり、試合中にも積極的に若手選手への助言を行うなど、豊富な経験を惜しみなく伝えてリーグ制覇、日本一に貢献した。今季からは兼任コーチ補佐に就任。「他の5球団が目の色を変えてやってくると思う。それにひるまないような雰囲気づくりや選手のサポートは全力でやっていけたら」と口にしていたように、変わらぬ姿でチームに貢献してリーグ連覇に貢献した。
恩師の野村監督から肩を触られる嶋(2008年3月20日撮影)その姿勢を球団側も高く評価しており、今後も指導者として後進の指導にあたってもらうようオファーする可能性も高く、黄金時代の再来へ必要不可欠な存在だ。
内川、嶋ともに球界を牽引(けんいん)してきたレジェンド。ともにスワローズでユニホームを脱ぎ、新たな一歩を踏み出す。
■内川 聖一(うちかわ・せいいち) 1982(昭和57)年8月4日生まれ、40歳。大分県出身。大分工高から2001年にドラフト1位で横浜(現DeNA)入団。08年に右打者最高打率の・378で首位打者に輝いた。10年オフにFAでソフトバンク移籍。21年からヤクルトでプレー。主なタイトルはMVP、ベストナイン5度(一塁手で08年、外野手で09、11―13年)、首位打者2度、ゴールデングラブ賞1度。09、13、17年WBC日本代表。184センチ、92キロ。右投げ右打ち。既婚。年俸4000万円。背番号7。
■嶋 基宏(しま・もとひろ) 1984(昭和59)年12月13日生まれ、37歳。岐阜県出身。愛知・中京大中京高から国学院大を経て2007年、大学生・社会人ドラフト3巡目で楽天入団。1年目から主戦捕手を務め、13年に球団初のリーグ優勝と日本一に貢献。10、13年にベストナイン、ゴールデングラブ賞に輝いた。20年にヤクルトへ移籍。12年12月から17年まで日本プロ野球選手会の会長を務めた。15年プレミア12日本代表。179センチ、84キロ。右投げ右打ち。既婚。年俸2000万円。背番号45。
この記事をシェアする