〝村神様〟に注目が集まるが、四球や申告敬遠で勝負を避けられることが多い中、両リーグ最多595得点を誇る燕打線は脇を固める打者も強力だ。この日は5番・オスナが躍動。〝産みの苦しみ〟を味わう主砲を支えるべく快音を響かせた。
5回、二塁打を放ったヤクルト・村上宗隆=神宮球場(撮影・塩浦孝明)二回先頭では前日から2打席連発の18号ソロ。三回には村上の申告敬遠に続いて左犠飛を放ち、五回には適時内野安打。2安打3打点と暴れた。
昨季はリーグ優勝も日本一も敵地で決めた。連覇はもう目の前。多くの燕党の願いをかなえる神宮での胴上げへ、高津監督はいつもと変わらず「明日、勝ちたいです」と言葉に力を込めた。(赤尾裕希)
★ビールかけ復活 ヤクルトは、セ・リーグ優勝を決めた際に神宮球場で「ビールかけ」を行うと発表した。昨季は新型コロナウイルスの感染防止のため行えず、着席したままノンアルコールビールで乾杯した。プロ野球界としても「ビールかけ」は2020年から自粛しており、3年ぶりの復活。感染拡大に最大限の注意を払いながら、勝利の祝杯をあげる。
★スタンドから拍手…燕投手陣も頭下げ 降雨の影響で1時間半遅れの午後7時半に試合開始。午後6時半頃に一時雨は上がったが、外野フェンス沿いに大量の雨水がたまり、ポンプなども使いながら、神宮球場の職員ら総動員で排水を行った。当初発表されていた午後7時のプレーボールはさらに遅れたが、無事開催にこぎ着けると、懸命に作業を続けた関係者たちにスタンドから拍手が送られ、ブルペンのヤクルト投手陣も頭を下げた。今後の過密日程を考えても、試合を消化できた意味は大きい。
■データBOX
❶ヤクルトがDeNAに勝利し、ヤクルトの優勝へのマジックナンバーが2つ減って「2」となった。25日のDeNA戦に勝てば、2年連続通算9度目のリーグ優勝が決定する。引き分けもしくは負けの場合は27日以降に持ち越しとなる。
❷村上の故意四球は今季24個目。1995年にオマリーがマークした球団のシーズン記録(23個)を更新した。プロ野球記録は1974年の巨人・王貞治の45個。
❸セ・リーグで1時間30分遅れでの試合開始は、2007年9月24日の広島-ヤクルト(広島市民、降雨による遅れ)の1時間29分を上回る最長となった。
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