プロ野球ヤクルトのセ・リーグ優勝が秒読みに入ったなか、優勝した場合の経済効果が約451億円になることが24日、関西大の宮本勝浩名誉教授(77)の試算で分かった。宮本名誉教授は「コロナ禍で観客動員数が増えにくい状況の中、過去の人気球団優勝に匹敵する経済効果をもたらしたことは特筆に値する」と高く評価している。
試算は昨年の観客数との比較から消費増加額を算出した。9月22日までのヤクルト主催試合での観客数は平均2万2004人で、これをもとにシーズン終了までの観客増加数は約102万人と推定。この観客の交通費や飲食費などによる消費増加は約82億円になる。
加えて全国のファンがあげる祝杯の増加額(約67億円)、優勝セールの売上増加額(約20億円)、CMなどへの出演料やグッズの売り上げ増(約30億円)といった直接効果が約209億円。これに、ファンの飲食やグッズ購入の増加によりもたらされる企業などの収入増を示す1次波及効果の増加分を加えると、約343億円。
さらに直接効果と1次波及効果により増えた所得を企業や従業員が消費する2次波及効果の増加分が約109億円。これらを合計した経済効果は約451億円となった。この金額は2005年の阪神優勝の約643億円、13年の巨人の約640億円、15年のソフトバンクの約403億円に匹敵するという。
宮本名誉教授は「5月以後、優勝街道を独走したことと村上宗隆選手の大活躍の結果」と原因を分析している。
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