笑顔の愛らしい上原実矩。時折見せる考えこむような表情には、豊かな感受性もにじんだ=東京・大手町(撮影・酒巻俊介)
ギャラリーページで見る女優でモデル、上原実矩(みく、23)が主演映画「ミューズは溺れない」(淺雄望監督)の30日公開を前にサンケイスポーツの取材に応じ、「映画祭の賞もいただき、自分の中で自信のついた作品になりました」と顔をほころばせた。
上原が演じたのは高校3年の美術部員、朔子(さくこ)。同級生の女子から好かれたり、親友と仲違いする中、将来への不安を感じてもがく姿がみずみずしく描かれる。それでも、人が分かり合うことの幸せがにじみ出る青春群像劇だ。
撮影が行われたのはコロナ禍以前の2019年夏。「長編映画の主演は初めてだったので、気負ったりプレッシャーがあって未熟な部分を感じてました。でも、編集され完成した作品を見て、みんなで補えばすばらしい作品になると思いました」と振り返った。
そう話せるのは、昨年11月に開かれた映画賞「第22回TAMA NEW WAVE2021」で作品賞のグランプリとベスト女優賞、第15回田辺・弁慶映画祭で弁慶グランプリなどを受賞したことがきっかけとなった。「これからは1人で気負わず、(小2の子役でデビューした)原点に戻って、演技を楽しむことを大切にしたい」としみじみ語った。
1年ほど前からは日本舞踊も習い始めた。「創作舞踊の面白さもですが、人間としての品格も学びたいと思ったのがきっかけです」と打ち明け、朔子と同じくまだまだもがきながら飛躍を目指す。「ミューズは溺れない」は30日から10月6日まで東京・テアトル新宿、10月中旬に大阪のシネ・リーブル梅田でも上映される。
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