8季目を迎えるイタリア・セリエAの開幕を前に、「世界トップ選手」の目標へ意欲を表した石川祐希(所属事務所提供) バレーボール男子日本代表主将の石川祐希(26)=ミラノ=が15日、8シーズン目となるイタリア1部リーグ・セリエAへの出発を前にオンラインで報道陣の取材に応じ、「今季が僕のキャリアにとって重要なカギになると考えている。強い意志、覚悟をもって取り組んでいく」と、目標である「世界トップ選手」へのステップアップに強い意欲を示した。
8月から9月にかけて行われた世界選手権で日本は1次リーグB組を2勝1敗の2位で通過。決勝トーナメント1回戦は昨年の東京五輪覇者で、今季の国際試合・ネーションズリーグ(VNL)も制したフランスと激闘を演じ、大金星まであと一歩と迫ったが、フルセットで敗れた。
チーム2位の22点を挙げた石川は「最後ジュースで負けてしまい(第5セット16-18)、非常に悔しい。最後の1点を取り切る力が今後必要になる」。
この点をセリエAでも自身の課題に挙げ、リーグを通じて技術的に高めたい部分として「アタックでのハイボールの処理や、最後に託された1点を勝ち取れるようにすることが、ここから上がっていくのに必要。点につながる力をつけたい」。そのためには「最後の1本、2本を託してもらい、決めることがきっかけになる。セッターに信頼してもらい、(勝負どころで決める)機会を増やすしかない」とした。
中大時代に参戦を始めたセリエAも、今季で8季目。世界選手権直前に捻挫した左足首には、まだ炎症が残るが、「プレーにも大きく影響はないので、そこまで心配はしていない。やりながら治していく」という。
3季目を迎えるミラノでは、新たなメンバーが多く加わった中でリーダーシップが求められる。「これまではプレーで引っ張る形だったが、今季は代表でやっているように、言葉でも引っ張れるようになりたい」
今季のチームとしての目標は、昨季惜しくも逃したプレーオフ準決勝進出だ。自身の目標とする「世界トップ選手」を、「セリエAのトップ4チームの先発」と定義する石川。「あと少しで手の届く範囲にいると感じている。何かのきっかけで大きく変わる、それはトップ4への勝利だと感じている」。だからこそ、今季の結果が自身にとって重要だとする。
新型コロナウイルスの影響が欧州でも特に強かったイタリア。石川はミラノに移籍してから地元ファンとの交流や、ファンが満杯に入っての試合を経験できていない。
「今年は(観客の入場が)フリーになると思う。そのサポーターとともにミラノのメンバーとして戦いたい。サポーターにみてもらい、ミラノの街から受け入れられる、チームの代表として戦いたい」と期待した。
今季のセリエAは10月2日に開幕する。