落語家の桂文枝(79)と桂南光(70)が大阪・大川の船で開催される「顔見せクルーズ」(10月20日)に同乗することが9日、分かった。11月11、12、13、16、19、20日に初開催される水辺大落語祭のキックオフイベントで、出演する噺家約30人が天満橋の八軒家船着場から出発する船に乗り込み、中之島・芝生広場などで船上から市民にあいさつ。イベントの機運を盛り上げる。
コロナ禍からの反転攻勢を目指す上方落語協会の笑福亭仁智会長(70)が相談を持ちかけた大阪市コミュニティー協会の主催で実現。協会員以外の参加が可能になり、1994年に退会した南光の出演が決まった。文枝と南光は以前、トラブルを境に関係が悪化し、確執が噂されていた時期があった。世紀の和解があるのか、歳月が過ぎ、因縁そのものが消滅しているのか、注目が集まる。
大阪市内で会見した仁智会長は「協会は共催なので協会員でない方も船に乗る。心の中では私の目玉。文枝前会長と南光さんも一緒に乗られる。隣同士かは分かりませんよ。これから先に向けて画期的なスタートになるのでは」と話した。船乗り込みは、江戸時代から京都や江戸から役者や一座が大阪に到着する際に行われていた儀式で、現在でも歌舞伎で行われているが、落語では例が少ない。
また、仁智会長は「コロナに入って2年半、専守防衛でしたが、ここからアフターコロナを見据えて打って出たい」と積極展開に意欲を見せた。月亭八方(74)、桂米團治(63)、桂あやめ(58)、桂吉弥(51)、桂春蝶(47)、笑福亭たま(47)、桂二葉(36)らが出演予定。天満天神繁昌亭ほか、中之島フェスティバルタワー、帝国ホテル、大淀コミュニティセンターで開かれる。