開幕まで2年を切った2024年パリ五輪は、昨夏の東京五輪と同様に暑さ対策が課題となっている。日本オリンピック委員会(JOC)は7月中旬に現地を視察。欧州では今夏に熱波が相次ぎ、各地で深刻な水不足に。高い湿度が特徴だった東京と違い、強い日差しと長い日照時間への対応が求められそうだ。
JOCは3日間、整備中の競技会場や選手村を見学。最高気温は連日30度を超え、尾県貢選手強化本部長は「もっと涼しいと思ったけれど、とんでもなく暑かった」と印象を語った。その後、欧州では英国で観測史上初の40度を記録するなど猛暑に見舞われ、フランスやスペインなどで山火事の被害も拡大した。
JOCの調査では、パリ五輪が開催される7月26日~8月11日は過去約10年で9割が晴れまたは曇りで、雨が極端に少なかった。平均気温は日本より低いが、夏場は午後10時ごろまで明るく、最高気温は同8時ごろまで続く傾向も分かった。
JOCの笠原健司強化部長は「ぎらぎらの太陽の光を長く浴びると疲労がたまる。脱水症状にもなりやすい。体内時計も狂うかもしれない」と案じる。セーヌ川のほとりに建設される選手村の部屋にエアコンはない。川からの風を循環させる構造というものの、日本勢には慣れない環境だ。
パリの大会組織委員会のトボワ事務総長は暑さ対策を重点課題と指摘。「とても注意を払っている問題。全力で取り組んでいきたい」と語った。
JOCは今月から、競技特性に応じて競技団体を複数のグループに分けたミーティングを開始。従来の海外での五輪より現地入りのタイミングを数日早めるなど、対策案を練る。地の利はなく、笠原氏は「欧州特有の暑さに対する準備の差が出る」と気を引き締めた。