ヤクルト・キブレハン(中央)の来日初アーチが打線に勢いをつけた(撮影・今野顕) (セ・リーグ、DeNA4―16ヤクルト、18回戦、ヤクルト11勝7敗、27日、横浜)〝左キラー〟が仕事を果たした。0―1の三回1死。ヤクルトのパトリック・キブレハン外野手(32)が左越えのソロを放ち、来日初本塁打をマークした。
ヤクルト・キブレハンの来日初アーチ(撮影・尾崎修二)「素直にうれしいです。いつも何とかチームに貢献しようという思いで、プレーしている。いい場面で打つことができました」
流れをもたらす一発だった。カウント0―2からDeNA先発の左腕・石田の真ん中低め126キロスライダーを一閃。高々と上がった打球は、左翼席に吸い込まれた。笑顔でダイヤモンドを一周すると、ベンチでは待ち受けたナインに頭をたたかれるなど手荒い祝福を受けた。
3試合ぶりに「2番」で先発出場した助っ人が起用に応える一打を放つと、打線は続いた。山田の左前打と2つの四球で2死満塁とすると、3試合ぶりに先発した捕手の内山壮が中前へ2点打。四回にはキブレハンの左前打などでチャンスを作ると村上が右前適時打、オスナが2試合連続の15号3ランを放つなど一気に活気づいた。
キブレハンは七回、この日2本目のアーチを左翼へ運んだ。村上の適時打のあと、サンタナの13号2ラン、内山壮の2号ソロと1イニング3発を誘発した。さらにキブレハンは八回に今度は右翼へ3本目のアーチをかけた。このイニングでも村上の48号2ランを導いた。
横浜スタジアムは思い出の地だった。今季途中の5月にヤクルトと契約したキブレハンだが、昨夏開催された東京五輪で来日し、米国代表として銀メダル獲得に貢献した。日本との決勝の舞台となったのが横浜スタジアム。試合は0―2で敗れたが、その悔しさも払拭するかのような3発4安打の大活躍だった。
締めて7発23安打16得点の大勝。2位DeNAとは一時4ゲーム差まで詰められたが、この直接対決2連勝で6ゲーム差に。キブレハンが大きな存在感を解き放った。