女優、高岡早紀(49)と俳優、溝端淳平(33)による二人舞台「毛皮のヴィーナス」(演出・五戸真理枝)が20日、東京・三軒茶屋のシアタートラムで初日を迎えた。
「マゾヒズム」の語源になったオーストリア人作家、ザッヘル=マゾッホの小説に着想を得て舞台化しようとする演出家(溝端)と、オーディションを受けに来た謎の女優(高岡)とのやり取りを通し、人間が持つ根源的な性的欲望をスリリングに描き出す。米ブロードウェーで上演され、ロマン・ポランスキー監督によって映画化もされた名作だ。
サンスポなどにコメントを寄せた高岡は、コロナ禍を乗り越えて上演にこぎつけたことに「緊張感のある時世ながら、無事に初日を迎えられたことにまずほっとしています」と安堵(あんど)し、「二人芝居で、とても充実した稽古を重ねてきました」と自信を持って臨んだことを告白。
溝端を相手に1時間45分、休憩なしで演じ切り、「大人数の舞台とはまた違った、二人の絆、呼吸が試される舞台。淳平君とはこれまでも共演を重ねてきましたが、彼には『何があっても絶対に大変なことにはならない』という安心感がありますし、一対一で向き合ってきて、よりその信頼感が増しました」と絶大な信頼を寄せている。
長ぜりふとともに、SMルックや中世の貴婦人の衣装などを何度も早着替えしなければならず、「精神的にも体力的にも大変な作品ではありますが、とても楽しいです」と充実の表情。「まだまだ積み重なっている課題をこなして、淳平君と、より素晴らしい『毛皮のヴィーナス』の世界をお届けできるよう切磋琢磨(せっさたくま)していきたいです」と9月4日の千秋楽まで、作品をさらに進化させることを誓った。