川で沐浴するインドの人々。G-T戦の舞台・東京とは暑さの質が違うようだ(AP) (セ・リーグ、巨人3-6阪神、16回戦、阪神10勝6敗、2日、東京D)
・274。
これ、何だと思います?
「なんでしょう…。8月2日の勝率ですか? すみません、まったく見当がつきません」
虎番の原田遼太郎が首をかしげていた。サブキャップの新里公章は「8月の阪神の勝率ですかね?」と回答した。惜しい。正解は「阪神の8月、東京ドームでの巨人戦の勝率」。32勝85敗6分け(1日現在)。1988年に開場してからホンマのホンマのホンマに勝てなくなったんですぅ!(ヤケクソ気味に!)
阪神が最後に勝ったのは金本監督時代の2018年8月26日(○9-8)。先発した飯田が3回4失点と崩れたが、5点を追う八回に猛攻。梅野が2ラン、俊介が2点打、さらに代打・伊藤隼の2点三塁打で大逆転!
東京ドームに乗り込んでいたキャップ長友孝輔は「飯田が降板してから、ベンチでめちゃくちゃ声を出してチームを応援していました」と当時の様子を思い出し、「えっ⁉ きょう勝ったら、矢野政権初勝利じゃないですか」と驚いていた。
その通り。昨年は東京五輪の関係で8月の東京ドームはDeNA戦(○○●)。野手担当の原田は「佐藤輝が田淵幸一さんのもつ新人最多本塁打記録に並んで、すぐに抜きましたね」とピーンときていたが、やっぱり8月の東京ドームは〝鬼門〟というイメージしかない。
「僕の〝鬼門〟はゴーヤです。沖縄出身なんですが、なぜかゴーヤが食べられなくて…。学校でもよく給食で出たのですが…。苦いのが嫌いなんです」と新里。虎の苦い思い出もよけてくれ…。
朝からテレビをつければ「命にかかわる暑さです」と警戒を呼びかけるニュースばかりだった。長友は新幹線で東京駅を降りた瞬間、「インドにいるみたいだ」と感じたらしい。左手につけている時計を見れば、外気温は35度と示していた。インド・ニューデリーはこの日、最高気温31度。東京はインドよりも暑い。
「インドにはいったことがないのですが、とにかく、東京は体にまとわりつくような暑さです」
長友は東京駅で在来線に乗り換えて東京ドームの最寄りである水道橋駅で下車。後楽橋を渡り、東京ドーム関係者口まで歩けば5分もしないうちに到着するのだが、それも地獄だったという。
「スーツケースをゴロゴロ引いていましたしね。心を無にしました。ドームは空調が効いていて本当に涼しいですよ」
記者席に到着し、グラウンドを眺めると、巨人が打撃練習をしている。丸もいるぞ、岡本和も元気だ。新型コロナに感染していた原監督は一塁ベンチ前で座っている。〝いつもの〟巨人にゲゲッとし「19日からも東京ドームで3連戦がありますね」と心配そうだった。
当番デスク(D)だった上阪正人はあわてなかった。「青柳が先発だからね。勝てるでしょう」。今季、上阪がチーフDを務めるときは9勝4敗(勝率・692)と阪神が勝ちまくっている(最下位は阿部祐亮Dの8勝13敗、勝率・381。いずれも1日現在)。上阪は「そんなときこそ脇を締めていこう」とつぶやいていた。オイオイ、勝率・274でもホンマに勝ってもうた。
甲子園を高校球児たちに明け渡し、長期ロードへ。京セラドームを使うことで〝死のロード〟とは言わなくなったけど、〝インド〟での3連戦初戦を好発進! 暑い! 熱い! 戦力が厚い!
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