島田さんが榎木と夫婦役を演じ、遺作となった「エヴァーガーデン」の1シーン。鹿児島・薩摩川内市の美しい自然を背景に撮影された 女優、島田陽子さんが大腸がんによる多臓器不全のため69歳で死去して一夜明けた26日、遺作となった主演映画「エヴァーガーデン」(横山浩之監督)が年内にも公開されることが分かった。
島田さんが企画など最初で最後のプロデュースも手掛けた作品。俳優、榎木孝明(66)演じる旅館経営者がコロナ禍による経営不振と病気を苦に自殺し、残された島田演じる妻が懸命に生きようともがく姿を描く作品で、人が生きることの意味を問いかける。
横山監督はこの日、本紙の取材に「年内には公開したい」と明言。実は昨年夏に1カ月ほど鹿児島県で撮影した際、大腸がんの影響で島田さんは毎日のように下血するなど体調を崩した。そのため、本人と相談の上で脚本を病気の設定に書き換えたといい、「時にはゼーゼーして息苦しそうなときもありましたが、『なぜ、このせりふなの』といつもの厳しい姿勢も見せてくれた」と突然の死を残念がった。
関係者によると、通夜はこの日、都内で密葬として行われた。27日の葬儀で荼毘(だび)に付される。本人が予約し遺骨の一部を宇宙空間に散骨する「宇宙葬」は今後検討。お別れの会は有志らにより1カ月以内をめどに開く予定という。
日本テレビ系「われら青春!」などで共演した俳優で歌手、中村雅俊(71)はこの日、所属事務所を通じてコメントを寄せ「島田さんは今でもマドンナのままです」と追悼した。
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