サンスポ

【田尾安志 タイムリーCheck!】オリックス時代の脆さが消えたロドリゲスは「ホンモノ」阪神はいい補強をした!

八回、適時打を放った阪神・ロドリゲス=甲子園球場(撮影・山田喜貴)

(セ・リーグ、阪神3ー1DeNA、15回戦、DeNA8勝7敗、23日、甲子園)中日、阪神、西武で通算1560安打を放ち、初代の楽天監督を務めたサンケイスポーツ専属評論家の田尾安志氏(68)は「7番・一塁」で初スタメンで2安打1打点のアデルリン・ロドリゲス内野手(30)=前パドレス3A=について言及した。

ロドリゲスは「ホンモノ」だ。オリックス時代も知っているが、すごく脆いイメージだった。ところが今はその脆さが全く消えて、勝負強さを兼ね備えた打者として戻ってきた。急成長している。合流して2試合連続で打点を挙げている。簡単にはできないことだ。

私は打者を判断する際のポイントとしてテークバックの際の体重移動、グリップの位置を重視している。ロドリゲスの場合、テークバックに入って捕手方向への体重移動がしっかりできていた。グリップも体から離れない位置で回っていた。さらに、そこからグリップがインサイドアウトに出ていた。22日の代打での初打席、23日の4打席を見たが、その形がずっとできている。際どいコースもファウルにできるし、見極めもできている。文句なし。完ぺき。打撃フォームは直すところがない。

文句なしのフォームが証明されたのが、八回の適時打のシーン。内角の非常に難しいコースだった。が、体重移動もグリップの位置も完ぺきだから、詰まっても押し込める。中前へ運べるのだ。フォームに問題があれば、どん詰まりになって打ち取られるところだ。現状ならクリーンアップも十分に任せていいだろう。ただ阪神のクリーンアップというのは、想像以上のプレッシャーがかかる。今は、そのプレッシャーを全く気にしない佐藤輝が4番にいて、5番で少し楽に打っている大山がいる。だから、ロドリゲスは7番固定でいい。こんな7番打者がいる打線は相手投手は相当怖い。

この先、日本の投手の配球に苦しむシーンが出てくる可能性はあるが、オリックスで日本野球を経験している分、その期間もごく短いのでは。守備もすばらしい。後半戦が楽しみになる選手を、阪神は補強した。

©2023 SANKEI DIGITAL INC. All rights reserved.