レッドカーペットショーでベン・バーランダー(右)の取材を受ける大谷。2人の笑顔に関係性の良さが表れていた(撮影・丹羽政善通信員) (ナ・リーグ2-3ア・リーグ、19日、ロサンゼルス)〝大谷マニア〟のジャーナリストとして米国でも著名なFOXスポーツのアナリスト、ベン・バーランダー氏(30)が、2年連続でオールスター戦に出場したエンゼルスの大谷翔平投手(28)について本紙に語った。兄にメジャー通算238勝のジャスティン・バーランダー投手(39)を持つ同氏は、なぜそこまで投打二刀流のスターに魅了されるのか。「大谷愛」たっぷりの〝観戦記〟となった。(取材構成・丹羽政善通信員)
翔平が打席に入る直前、場内インタビューで初球フルスイングを宣言したのを聞いて、鳥肌が立った。当然、それを聞いているカーショーは何を投げるんだろう、と思ったら、やはり直球。大谷の挑戦にカーショーも真っ向から応えた。あそこでカーブは投げられないよ。
翔平は当然、ホームランを狙っていたと思うけど、外角いっぱいだったからバットの先っぽ。中前打になった以上、翔平の勝ちだろうけど、カーショーもホームランを打てないコースに投げたのはさすがだった。
自分が大谷を大好きになったのは、私が大学のときに諦めた投打二刀流を続けているから。私は大学2年のとき、ドラフト指名されたいなら、どちらかに絞るように周囲に言われて打者を選んだ。本当は二刀流を続けたかったけど、当時は不可能だという空気だった。でも、その常識を大谷が覆した。それで一気に彼のとりこになった。
だから、今季の球宴でも投手として先発して、打席に入ることを期待したけど、やはり負担が大きかったのだろう。でも、その分リラックスして楽しんでいるように見えた。
レッドカーペットショーでは今年もインタビューをさせてもらったけど「打者・翔平と投手・翔平が対戦したら、どうなる」と聞いたら「今年に限っていえば、ピッチャーのほうが有利かなと思うので、真ん中に真っすぐを投げておけば抑えられるかなと思う」と笑いながら答えてくれたのが印象的だった。
「初球をフルスイングする」という宣言は良かった。あれは、オールスター戦らしい最高に華やかな場面だった。(FOXスポーツ・アナリスト)