五回、三塁強襲の内野安打を放つ戸井。プロ注目の大型内野手だ(撮影・北池良輔) 第104回全国高校野球選手権大会地方大会(14日)奈良では2回戦が行われ、今春の選抜に出場した天理が関西中央を9-0、七回コールドで下し、3回戦に進出。今秋のドラフト候補・戸井零士内野手(3年)が先制の犠飛を放つなど初戦突破に貢献した。東東京大会では、2回戦で東海大高輪台が駿台学園に1-0で勝利。ヤクルト・石川雅規投手(42)の長男、大耀(だいや)投手(3年)が完封した。
分厚い雲に覆われる中、聖地への戦いをスタートさせた。今秋のドラフト候補、天理・戸井が2打数1安打1打点で勝利に貢献した。
「初戦のプレッシャーもあり、硬さもあった。そんな中でもしっかり先制点が取れたことがよかった」
三回1死二、三塁で先制の中犠飛。3-0の五回には無死二塁から、強烈な打球で三塁手がはじく内野安打で好機を拡大し、一挙6点の流れを作った。チームは9得点で快勝発進。中村監督は「戸井の先制打でチームの緊張がほぐれた」と感謝した。
ネット裏ではプロ4球団のスカウトが熱視線を送った。阪神・山本スカウトは「一番の魅力はやっぱり打撃。球界ではコツコツ当てる左打ちの二遊間が多い中、長打が期待できる貴重な右の強打者。派手さはないが、守備も堅実」と評価。OBには、関本(元阪神)や中村奨(ロッテ)ら右打ちの大型内野手が多く、遊撃手で身長181センチの戸井も「チャンスがあるなら上のステージで戦いたい」と目を輝かせる。冬には白米を一日2キロを食べることをノルマに掲げ、体重は9キロ増量。夏は高校通算13本塁打からさらに積み上げるつもりだ。
「5年も夏の甲子園には出ていないので、とにかく勝つことが目標です」
同じ遊撃手の太田(オリックス)を擁した2017年以来となる夏の甲子園へ。主将のバットで4連覇中の智弁学園から覇権を奪還する。(北池良輔)
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