送検された山上容疑者。重大な事件を起こした今、何を思うのか…=10日午前、奈良市の奈良西署(撮影・安元雄太) 安倍晋三元首相(67)が銃撃され死亡した事件で、逮捕された元海上自衛隊員の無職、山上徹也容疑者(41)=奈良市=が「(事件前に)自分で作った銃を宗教団体の関連施設で試し撃ちした」と供述していることが10日、分かった。現場で使われた銃は「一度に6個の弾丸を発射できる仕組みだった」と説明し、ユーチューブの動画を参考に製造していたと供述しているという。
用意周到に準備していたのか。殺人未遂容疑で現行犯逮捕された山上容疑者はこの日、殺人容疑に切り替えて送検された。〝銃マニア〟であるかのように銃を自作し、試射までして殺傷能力などを確かめていた。
「(事件前に)自分で作った銃を宗教団体の関連施設で試し撃ちした」。新たな供述が判明した。捜査関係者によると容疑者の軽乗用車内から約1メートル四方の板が複数枚見つかった。穴が開いており、容疑者は試射に使ったと明かしたという。
これまでの調べで、銃を複数作ったことを認め、自宅から現場で見つかった銃と同様のもの数丁が押収されている。事件で使われた銃は、金属製の筒2本を粘着テープで束ねた構造で、「一度に6個の弾丸を発射できる仕組みだった」とも説明。弾丸はカプセルのような小さな容器に入れ、それぞれの筒から発射する散弾銃に似た造りだった可能性がある。
銃の製造は、ユーチューブの動画を参考にしたとの趣旨の供述をしているといい、県警は容疑者が動画を参考に試作を繰り返したとみている。県警によると、司法解剖の結果、安倍氏の首と左上腕部の計2カ所に銃弾が命中した傷があった。死因は「左上腕部射創による左右鎖骨下動脈損傷にもとづく失血死」で、左上腕部を撃たれて動脈を損傷したことが原因。県警は実際に発射された銃弾の数を調べている。
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