大学日本代表の中大・森下翔太。広角に大きな打球を飛ばせる 右の長距離打者は、投手の球速や野手の走力を示す塁間タイムなどと比べ、能力を数値化しにくいといわれる。だからこそ、プロ野球のスカウトは球場の広さや相手投手との力関係に左右される本塁打数にとらわれず、リストワークやバットの軌道、間の取り方など、さまざまな角度から右打者を分析する。育成が難しいとされる右の大砲。それだけに、チームの中軸を担う可能性を秘める打者に熱視線が注がれる。
今秋のドラフト会議に向け、プロ野球界から注目を浴びているのが、中大の森下翔太外野手(4年)だ。神奈川・東海大相模高で1年夏から4番打者を託され、高校通算本塁打は57本。進学した中大では、東都大学野球のリーグ戦で1年春の開幕戦からスタメン入り。14試合に出場し、打率・306(49打数15安打)、2本塁打、9打点でベストナインに輝いた。同年夏には2学年先輩の牧秀悟内野手(現DeNA)らとともに大学日本代表に選出され、日米野球に出場した。
今春のリーグ戦では3本塁打を放つなど、打率・311をマーク。打点は最多タイの11と勝負強さを発揮し、2度目のベストナインに選ばれた。戸塚シニア時代から見てきたヤクルト・斉藤宜之スカウトが「リストが強く、(逆方向である)ライトに長打を打てるというのが一番の魅力。ああいうタイプ(長距離バッター)は打つだけの選手が多いけど、彼の場合は肩も強いし、足もそこそこある」と評価する逸材だ。
オランダで開催される国際大会「第30回ハーレム・ベースボールウイーク」(7月8-15日)に出場する大学日本代表では、直前合宿中(7月1日-5日、神奈川・平塚市内)のオープン戦全2試合で4番。大学時代の牧や大山悠輔内野手(現阪神)、山川穂高内野手(現西武)らも任された日本の4番候補と期待された。
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