試合前、選手を鼓舞する浦和サポーター。この日は違反行為はなかった 明治安田J1第20節第1日(6日、浦和2-2京都、埼玉)先制しただけに、ホームで悔しさが残るドローかもしれない。しかし、試合後に浦和サポーターから湧き起こったのはブーイングではなく、温かい拍手だった。
「試合後の拍手は久しぶりに感じる。試合前からサポーターの気持ちを感じていた。だからこそ勝ちたかった」
GK西川はこう振り返った。一部サポーターによる相次ぐ〝声出し応援〟が新型コロナウイルス感染症対応ガイドライン違反にあたり、クラブは厳しい批判を浴びた。前日5日にJリーグは上限2000万円の罰金を科すことを裁定委員会に諮問する方針を示し、同様の事案が続けば、無観客試合や勝ち点剝奪の可能性もあると、浦和に最後通告を言い渡した。
浦和の立花洋一社長は試合前、「今までのような事象を起こさない。強い覚悟を持って対応することを(サポーターに)伝えていく」と再発防止を誓い、声出しを監視するスタッフを2・5倍に増員。埼玉スタジアム内の掲示物でルール徹底を啓発した。
1-0の後半9分、左CKから京都に同点に追いつかれた際も、スタンドは静かだった。その2分後、今度は最終ラインでボールを奪われて勝ち越されたが、サポーターは押し黙ったまま。ブーイングなど違反行為はなかった。「選手を後押ししてくれた」と西川は感謝。次こそ勝利で報いたい。(宇賀神隆)
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