先発した阪神・桐敷拓馬=ナゴヤ球場(撮影・松永渉平) 阪神のドラフト3位・桐敷拓馬投手(23)=新潟医療福祉大=が23日、ウエスタン・中日戦(ナゴヤ球場)に先発し、7回5安打2失点と好投した。12日から4日間、1軍登録されたが、登板機会はなし。先発と中継ぎをこなせる貴重な左腕が再昇格へ向けてアピールした。チームは9―4で快勝し、5連勝。
太陽が照りつける最高気温31度の名古屋でテンポよくアウトを積み重ねた。多少のブランクも関係なし。1軍昇格へ、安定した投球でD3位・桐敷(新潟医療福祉大)がアピールした。
「初回はポテン(ヒット)だったり、運が悪い当たりもあったけど、粘り強く投げられたので、よかった。コントロールもできたかなと思う」
12日に1軍登録されたが、登板機会がないまま15日に抹消。この試合が4日のウエスタン・広島戦(由宇、7回無失点)以来の実戦マウンドだった。一回2死一塁で4番・郡司に先制の二塁打を許したが、二回以降は修正し、ゼロを並べた。
9―1の七回先頭で再び郡司にソロを浴びたものの、7回5安打2失点で3勝目をマーク。87球、無四球の省エネ投球でゲームメークしたが「あのペースだと完投できなきゃ。体力もつけないといけない。まだまだ」と反省した。
1年目の今季はオープン戦でアピールし、開幕ローテをつかんだ実力があるだけに、平田2軍監督も「あの(七回の)ホームランは反省やな。7回2失点で『いい投球だった』じゃアカン」と手厳しい。「もっと上を目指しているから『絶対に点をやったらアカン』『点差が開いている状況でも(相手が)1軍のバッターだと思って投球しろ』と話をしている」とより高いレベルを求めた。
現状、1軍の先発ローテは青柳と西勇が軸。伊藤将や西純、ガンケル、ウィルカーソンもいて層は厚い。ただ、疲労が蓄積する夏場は不測の事態も起こりがち。ブルペン陣も同様で、不調の選手や故障者が出たときに頼りになるのが先発も中継ぎでもいけ、なおかつ貴重な左腕の桐敷。2軍では才木や藤浪もアピールしているが、いつ呼ばれてもいいように、レベルアップを図りながら2軍でスタンバイしている。
「いつ呼ばれるかわからない状況なので、常に自分のやることをやりながら、その中で1軍で投げられる準備をしていくというのはやっている」
ウエスタンでは防御率1・09。安定感が光る背番号「47」が大逆転Vを目指す虎のジョーカーになるかもしれない。(織原祥平)
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