全国高校野球選手権の地方大会の組み合わせ抽選会が進んでいる。各球団のスカウトも有力選手が所属する出場校の試合日程に合わせ、視察の予定を組み始めている。東京五輪が開催された昨夏とは異なり、2022年は以前のように地方大会と都市対抗野球大会の日程が重なることが多く、一日に2カ所の試合会場を移動し、昼夜にわたって有力選手を視察するという動きを考えることになる。
その一方で、並行して行わなければならない作業がある。ここまでリストアップした高校生の進路希望の確認だ。大きく分けて❶大学進学(受験か、スポーツ推薦で内定、あるいは内々定が出ているか)❷プロ待ち進学(プロ志望届を提出し、指名にもれた場合に進学)❸社会人野球志望❹プロ一本となる。
❶の大学進学という結論が出れば、「その選手を見にいくことはなくなる」ということで視察は打ち切り、❷、❹の選手がいる試合を厚くしたり、球団幹部の同行を要望し、日程調整を図ることになる。
進路が注目されていた選抜大会4強の浦和学院(埼玉)の左腕・宮城誇南投手(3年)が進学一本に絞り、選抜大会で大阪桐蔭戦で好投した鳴門(徳島)の左腕・冨田遼弥投手(3年)が春先に東都大学野球志望を打ち出し進学を決めている。各球団スカウトは高校生の左腕投手の現状をチェックし、将来像を描きながら、報告を求められることになる。
もちろん、その際は①春からの身体の成長②技術的な進化③暑さに対する適応、集中力、体力④試合の前後を含めたプレー、試合に対する姿勢などがテーク・ノートされることになる。移動距離、視察時間量が秋のデータ集積の差になることがある。(アマチュア野球取材班)
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