故郷の沖縄料理に夢をかけるヒロインとその兄妹らの家族愛を描くNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」(月~土曜前8・0)の第44回が9日、放送された。
※以下、ネタバレあり。
暢子(黒島結菜)は、おでん屋で働く中で、フォンターナのオーナー、房子(原田美枝子)の秘められた過去を知ることになる。その頃、賢秀(竜星涼)は手を染めていた怪しげな飲料を売るビジネスが急展開・・・そして、思わぬ結果を迎えることに。おでん屋の立て直しに苦戦していた暢子は、料理の基本を大事にすることを痛感して、賢秀と過ごす中で苦境を打開する大きなヒントを手にする。
三郎(片岡鶴太郎)とおでん屋の安孫子ヨシ(大島蓉子)の話から、房子は早くに両親を亡くし、さらに戦争でたった1人の家族であった妹を失っていたことが明らかになる。戦後の闇市でヨシは房子と知り合い、おでんを分けてもらっただけでなく、仕事の世話もしてもらったことも判明。房子は今でも学生服姿の妹と2人で写った写真を大切に持っていた…という展開だった。
ただ、この展開に視聴者からは疑問の声が挙がった。まず、房子は暢子の父・賢三(大森南朋)の「叔母」であることが明らかになっている(字幕でも「叔母」の表記が用いられている)。「叔母」は「父、母の妹」という意味。房子が賢三の父方と母方、どちらの親戚なのかは現時点で明らかにされていないが、房子が賢三の両親のどちらかの妹であるなら、房子には兄か姉がいたはずだ。だが、この日は兄か姉がいたようには語られなかった。
仮に房子の妹が賢三の母だとするなら、房子は「母の姉」になり、「叔母」ではなく「伯母」(父、母の姉)の表記が正しい。また、写真がいつ撮影されたものかは分からないが、妹が学生服姿であることから、結婚していなかったと考えることが自然。さらに、すでに妹が結婚して子供(賢三)がいたのなら、三郎の言う「たった1人の家族」という表現も不自然だ。
もう一つ考えられるのは、房子が賢三の「義理の叔母」にあたるということ。つまり、賢三の両親のどちらかの弟が房子と結婚していた可能性がある。ただ、賢秀は房子について「旦那も子供もいない…」と語っており、この説も定かではない。もっとも、すでに房子が離婚、または死別していれば矛盾することはなく、比嘉家とあまり親戚付き合いがなかったことも不自然ではなくなる。
詳細は今後、明らかになる可能性もあるが、混乱した視聴者の声もあり、SNSなどでは「字幕の『叔母』の表記通りならもう一人以上、オーナーより上に兄弟姉妹がいて、それが暢子達の祖父or母に当たるということなのかしらね」「オーナーは妹を亡くして血縁がいない独り身って、賢三さんとは叔母と甥の関係でないのか?」「オーナー、もともと賢三の父の歳の離れた妹で小さい頃に大城家に里子に出されたんだ。 だから暢子も里子として預かるって言ったんだ。 これで辻褄合う?」「比嘉家の家系図プリーズ」などの反応があった。
朝ドラ通算106作目となる今作は、本土復帰から50年の節目を迎える沖縄が舞台のオリジナル作品で、「ちむどんどん」は「心がわくわく、ドキドキする」という意味の方言。女優の黒島結菜(25)がヒロイン・暢子を演じ、脚本は「マッサン」の羽原大介氏、語りはタレントのジョン・カビラ(63)が務める。主題歌は沖縄県出身の歌手、三浦大知(34)が今作のために書き下ろしたオリジナル曲「燦燦(さんさん)」。
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