黒原と吉川尚の〝懸け橋〟になった。5月某日。広島・床田寛樹投手(27)が2軍再調整中のドラフト1位・黒原(関学大)に送ったメッセージの一端を明かした。
「吉川(尚)が『気にすんな』って言っているから頑張れよ!!」
発端は5月4日の巨人戦(マツダ)だった。八回2死三塁で黒原の投じた抜け球が、吉川尚の左肩付近に直撃。ぼう然とする黒原。その場で倒れ込んだ吉川尚は担架で運び出され、交代した。黒原は翌5日、吉川尚は6日にそれぞれ出場選手登録抹消。巨人の正二塁手の離脱に、双方のファンがSNSで争う事態になったが、当事者は冷静だった。
床田がスマートフォンのLINEで「大丈夫か?」と死球を受けた吉川尚にお見舞いのメッセージを送った。「今のところは大丈夫」と返信があった後に「黒原に(SNSなどに批判が来ている可能性があるけど)『気にすんな』って言っておいて」と逆に新人を気遣う言葉も届いた。
5月4日の広島戦で死球を受ける巨人・吉川尚輝床田は、黒原と連絡を取り「(吉川尚が)こうこう言っているから」と間を取り持った。黒原は明らかに動揺があっただけに、吉川尚のスポーツマンシップには頭が下がる思いだ。
床田と吉川尚は岐阜学生リーグ時代から続くライバル関係で、中部学院大のエースだった床田と中京学院大の遊撃手だった吉川尚は幾度となく対戦してきた。床田は「打撃も守備もすごかったですよ。よく打たれましたね」と振り返るほどだ。
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