八回、阪神・近本光司の安打で長坂拳弥が生還を狙うもタッチアウト=甲子園球場(撮影・甘利慈) (日本生命セ・パ交流戦、阪神0-1楽天、3回戦、楽天2勝1敗、26日、甲子園)また打てんかった…。阪神はパ・リーグ首位の楽天に0-1で敗れ、交流戦最初のカードを負け越した。今季12度目の零封負けで「0-1」はすでに6度目。八回2死二塁から本塁突入を図った長坂は憤死し、代走を起用しなかった矢野燿大監督(53)は「俺が行ききらんかった」と悔やんだ。27日はロッテ戦。〝令和の怪物〟佐々木朗が先発してくるよ~。
見据えようとしていた延長戦は、またも訪れなかった。0-0の八回2死二塁。二塁走者の捕手・長坂に代走を送らないという矢野監督の判断が、結果的に本塁憤死を招き、0-1負けを再現した。1点を取りに行きつつも行ききれず、零封負けは早くも昨季を上回って12度目だ。
「難しいところやったけどね。結果的にもちろん、俺が行ききらんかったっていうのは、受け止めているけど。延長12回という難しさと、その後に代走を出したいところもあったし。(長坂)拳弥も(足が)遅いわけじゃないんで…」
0-0だった。先発マスクで好リードを見せていた長坂を、まずは八回1死でそのまま打席へ送った。2番手の宋家豪から左前打で出塁する。こうなれば植田も熊谷も、代走要員はベンチに控えていた。代わる捕手は坂本も片山もいた。だが、将としては九回も延長もにらんでいた。代打・北條の投前犠打で2死二塁にし、1点を奪いに行けるようにしつつ、ここで二走を代えることはしなかった。
動かなかったときに限って、ゲームは動く。近本が左前打を放ち、長坂が三塁を蹴って本塁へ突入する。左翼・西川からワンバウンドの好返球が戻り、タッチアウト-。たしかに長坂は遅くはなかった。それでも、リクエストを要求するほど微妙なタイミングだっただけに、あと一歩、ほんの数センチでも本塁へ迫れていたら、先制点になっていた可能性があった。直後の九回、楽天に1点を先に奪われた。先の、先の、先まで思案し〝決断しないという決断〟に至ったが、先は訪れなかった。
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