楽天・小峯新陸投手(20)は3年目の今季、3月19日に支配下登録を勝ち取った。背番号は3桁の「138」から2桁「30」に変更。開幕戦(対ロッテ、楽天生命パーク)では5番手として1回を無失点に抑えた。「緊張していたのであまり覚えていないのですが、とにかく『絶対に抑えるぞ』という気持ちでマウンドに上がりました」と初々しくプロ初登板を振り返った。
小峯は2020年に鹿児島城西高から育成ドラフト2位で楽天に入団。189センチの長身から投げ下ろす最速153キロの直球が武器の本格派右腕だ。
3度目の登板となった5月12日のロッテ戦(楽天生命パーク)では2-5の九回に4番手として登板。三ゴロ、投ゴロ、空振り三振とわずか9球で三者凡退に抑えた。常々「ビハインドのピッチャーは重要」と語っている石井監督も「小峯はやっぱり、真っすぐも力があるしフォークの落差もある。小峯は決め球という所はまだ精度は低いけど(しっかりと決め球を)持っている」とそのポテンシャルを評価する。
そんな期待の右腕には恩返しを誓う人物がいる。今季の開幕投手を務めた則本昂大だ。オフには〝チーム則本〟の一員として三重県内で行われた自主トレに参加。通算1518(23日時点)奪三振を誇る〝生きた教材〟を間近にし、技術を吸収した。小峯は「自主トレでいろんなことを学ばせていただいて体の使い方とか、そういうのがどんどんいきて1軍で今、自分も投げられている」と感謝を口にする。
ここまで4度の登板は全てビハインド時の登板(23日時点)。〝勝ちパターン〟での登板はまだない。「活躍して則本さんの後ろで投球できるようなくらいまで成長できたら恩返しできるかな」と小峯。〝チーム則本リレー〟の実現へ。感謝の気持ちを胸に背番号「30」は今日も腕を振る。(加藤次郎)
この記事をシェアする