宇宙開発戦略本部の会合であいさつする岸田首相(左から2人目)=20日午前、首相官邸 政府は20日、宇宙開発戦略本部(本部長・岸田文雄首相)の会合を開き、宇宙基本計画の工程表改定に向けた重点事項を決定した。米国が主導する国際月探査「アルテミス計画」の一環として、2020年代後半の日本人宇宙飛行士による月面着陸の実現を目指すほか、国際協力による火星探査の検討を進める。国産ロケットの打ち上げ能力の拡充も打ち出した。
岸田首相は「米国人以外で初となる日本人飛行士の月面着陸の実現に向け、米国とともにアルテミス計画を推進する」と表明。ウクライナ侵攻の余波でロシアのロケットを利用できないとして「わが国のロケットの打ち上げ能力を抜本的に強化する」と述べた。
国産ロケット打ち上げを巡っては、種子島宇宙センター(鹿児島県)での準備期間を短縮し、打ち上げ頻度を増やす方針。政府が民間企業の小型ロケットを活用する方針も掲げた。
アルテミス計画には日米欧などが参加。月を周回する基地ゲートウエーを建設して月面探査を進め、将来的な火星探査につなげる構想。日本は無人補給機での物資輸送などを担う予定。
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