もどかしさも、やりきれない思いもあっただろう。悔しさをほんの少しだけ吐き出して、阪神のメル・ロハス・ジュニア外野手(31)は鳴尾浜から再出発している。
「リフレッシュの期間としてはすごいいい時間と思っていますし、状態が悪くないだけに、あまり試合に出られなかったのがリズムに乗れなかった。最後のファーム生活にして、早く1軍に戻れるように頑張りたい」
5月11日の広島戦(甲子園)での1打席が、ここまでのチームと自身を象徴するものとなってしまった。2-3の八回1死二、三塁で代打に登場すると、広島ベンチは右のケムナを左の森浦に代えてきた。スイッチヒッターの助っ人砲だが、その時点まで、右投手と向き合う左打席では打率・216(37打数8安打)で、左投手に対する右打席では同・105(19打数2安打)だった。
11日の広島戦の八回、三振に倒れたロハス数字は苦しい状況を示していたが、阪神ベンチはロハスに懸けた。相手が投球練習する間に、右打席に臨むように防具をテキパキと付け替えたロハスだったが、結果は空振り三振に終わった。バットに当てさえすれば同点も望めた場面だったが、必死で当てに行っても当たらない姿が痛々しかった。
翌12日に出場選手登録を抹消され、13日から2軍へ合流した。矢野監督は「アイツ自身もこのまま終わるわけにはいかないというのはあるし。内容的にも、今のままじゃちょっとしんどいなというのもあるんで」と、はい上がることを求める。
ロハス自身も言うように、過去に経験がないような〝出たり出なかったり〟で、状態の維持もままならなかったのは事実だろう。4試合連続出場なしもあった。4月下旬以降は2試合連続スタメンが最長で、安打を打っても、大きな結果を示すことはできず、出場機会は限られていった。
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