一回、今季1号を放つマルテ=神宮球場(撮影・宮沢宗士郎) (セ・リーグ、ヤクルト1-8阪神、11回戦、ヤクルト7勝4敗、18日、神宮)グイグイと押してくるのなら、力いっぱいはじき返すまでだ。花火大会の始まりを告げたのは、マルテの待望の今季1号だった。プレーボールから150キロ超の剛速球を連投していた高橋を、痛快に撃ち砕いた。
今季初のラパンパラを決めるマルテ(左から3人目)。ベンチは大いに盛り上がった(撮影・宮沢宗士郎)「いいホームランだったと思うし、自分にとっても(今季)初めてのホームランだった。まずチームが勝ててうれしいですけど、初ホームランということもうれしい」
一回先頭の近本が全6球150キロ超えで空振り三振に倒れ、中野も真っすぐ2球で中飛に打ち取られた。左腕から放たれるうなる直球で、またも高橋に見下ろされたような投球を許すのかと思った矢先、マルテが3球目の151キロを捉えた。左翼ポール際に突き刺さる先制ソロ。そこから一気に虎の試合となり、5番・大山にも、4番・佐藤輝にも一発が出て、今季初のクリーンアップそろい踏みだ。
昨季は22発を放ち、本塁打後のポーズ「ラパンパラ」もすっかり定着したマルテだったが、今季は開幕早々に「右足のコンディション不良」で戦列を離れた。チーム43試合目、自身の今季53打席目でようやく矢野監督から虎メダルも授与され、ポーズを決めた。
「シーズンが始まったときはすごい負け越したけど、みんな諦めていないし、だんだん状態も戻っているので、この調子で勝ち続けたい」と巻き返しを誓う。マルテが打線を活気づければ、快進撃はかなう。(長友孝輔)
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