今回は連載「オフは釣り三昧」の松本ひでおアナウンサーが天敵の川目梢記者と対決する特別編。2人が火花を散らしたのは、初心者にもやさしいライトタックル(LT)アジ。数釣り狙いに横浜市・磯子『根岸丸』へ向かった。笑いあり、ハプニングあり、名物〝松本サイズ〟もありの泥仕合をお届けする。
◆デッドヒート
磯子の『根岸丸』さんにお邪魔しました。2008年11月、ショウアップフィッシングと銘打って、田尾安志さん(ニッポン放送解説者・プロ野球楽天初代監督)と、リスナーさんをお招きした釣り大会をやらせていただいて以来、よくしていただいている船宿です。
今回の釣り物はその時と同じアジ。「ヤギさんよぉ、今日はデッカイのを釣らせるかんな」と新井清司船長。ニッポン放送ではヤギと呼ばれている(顔がヤギに似ているから?)私ですが、それをご存じの船長さんはまずいません。釣り大会で出船した2隻が田尾丸とヤギ丸だったので覚えていらっしゃるんでしょう(笑)。
同乗は〝天敵〟こと川目記者。船長に言われて大物を期待した私はサイズ勝負にしようと言ったのですが、「数釣りのほうが真剣になるから」と川目記者。果たして対決は抜きつ抜かれつのデッドヒートになりました。
◆一時は13対10
この日は潮の関係で通常のポイントが不調。根の際を攻める釣りに。底ダチが目まぐるしく変わるのでタナ取りが実に難しい。指示ダナの、下から3メートルを釣っているつもりなのに油断するとカサゴがくっ付いてる…。
それでもタナ取りとコマセ振りを丹念にやった私は一時13対10とリード。活性の高くない中でこの差はかなり大きい。私は余裕をかましました。彼女と複雑にマツったときにアジが付いていて、おそらく私の獲物だったのですが、「これはノーカウントにしようよ♪」と上から目線。
ところが! 今度は私がひどい手前マツリをしました。新しいのに替えてもよかったのですが、リードしているし、ちょっと絡んだ仕掛けをほどくのって案外好きなんです。これって変かなぁ…(汗)。
◆バレろバレろ
結果的にこの時間があだとなりました。13対13! ヤツは追いついてきました。そしてここからは泥仕合。互いに相手にアタリがあると「バレろ、バレろ!」と罵(ののし)り、釣り上げれば舌打ち。フェアプレー精神のかけらもありません。
そしてこういうタフな試合に私は弱い。巻き上げ途中にリールが外れる(!)など焦ってミスも連発、最後は3ポイントのリードを許しました。
◆自分でもイヤ
「やっぱりさっきのアジは俺のにしてくれない?」。「構いませんよ」と今度は彼女が上から目線(涙)。結局18(19?)対21で軍配は天敵の川目記者に。「オーホッホッホッ♪」。久々に聞いてしまった大魔神ならぬ大魔女(!)の高笑い。悔しい。仕掛けの扱いの悪さが自分でもイヤになります。
それ以上に傷ついたのは、見知らぬ方から「お! こりゃ松本サイズだね」って言われたこと。「松本さん、だいぶ浸透してきましたね」。川目記者の心底うれしそうな顔が目に焼き付いて離れません…。ちなみに今回のサイズについては聞かないでやってください(汗)。(フリーアナウンサー)
川目記者の目
「だから~、風下で仕掛けを取るんですってば~」。この日、私はこのせりふを何度言って、松本アナを注意したことでしょう。釣りのレクチャーで必ず言われる基礎中の基礎なのに…。
案の定、風上で風を受ける仕掛けは絡まり、もたつく松本アナ。もう見ていられません。それでも「オレ、絡まった仕掛けをほどく作業ってけっこう好きなんだよね~」って、ま~のんきに語ってくるんですよ。静かにため息をつき、松本アナから目線をそらす私でした。
さらに、そのため息は船長にも伝染します。なぜなら…いつも良型のアジをクーラー満杯に釣らせてくれる『根岸丸』さん。しかし、この日は船長が首をかしげるほどに松本サイズ、またまた松本サイズと続き…。いや~、アジも空気を読むんですね~。
「きょうも松本サイズですか⁈」と周りの釣り人からもツッコミが入り「きょうもって…」と苦笑いの松本アナ。それにしても、思っている以上に〝松本サイズ〟って釣り界に浸透しているようですね。 (川目梢)
★船長の見通し
「反応はありましたが群れの移動が速く、うまく数が伸ばせませんでした。崖のようなところを攻めるので細かいタナの変化に対応することが大事。硬めの竿より少し軟らかめの方がお勧めです。6月、7月になるとアジの活性が良くなるので今後に期待ですね」
◎ガイド◎ 〈船宿〉サンスポ推薦=磯子『根岸丸』電話045・761・5031〈交通〉JR京浜東北線・根岸駅下車、電話で送迎あり。マイカーは首都高速湾岸線・本牧ICから約10分、磯子ICからはUターンで約5分〈乗合料金〉ショート釣りで7時10分出船。餌とコマセ付き8000円。女性は4000円。毎週木曜日が定休。
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