シュツットガルトで活躍するDF伊藤。森保監督の目に留まった(共同) 日本代表の森保一監督(53)が17日、オンラインで取材に応じた。主力センターバック(CB)の冨安健洋(23)=アーセナル=が、16日の試合で負傷交代。国際連盟(FIFA)ランキング1位のブラジルとの親善試合を含む4試合を戦う6月の代表活動に向けたメンバー発表を20日に控え、同じくCBの伊藤洋輝(ひろき、23)=シュツットガルト=の成長ぶりを高く評価した。
W杯を見据えて再始動する。カタール行きをかけたサバイバルが森保監督のもと、幕を開ける。
「あと半年しかない。チーム作りで与えられた時間には限りがある」
W杯開幕(11月21日)まで半年となる21日を前に、森保監督は構想を練る。3月に出場権を獲得してから初の活動となる6月に招集する人数は30人程度。海外組も参加する活動は6月と9月の計6試合と少なく、今月20日に発表される約30人が本番でも核になる可能性が高い。
気がかりなのがCB陣だ。DF冨安は16日の試合で負傷交代。指揮官は「(招集は)メディカルと相談したい」としたが、今季は両ふくらはぎ痛など、けがが続く。また、DF吉田麻也(33)=サンプドリア=は所属先で定位置を失っている。指揮官は主将として大きな信頼を置くが、試合勘には不安が残る。
CB陣の不安が募る状況に、DF伊藤を「彼の成長はすごい」と高評価。今季、磐田から移籍した23歳はドイツ1部シュツットガルトで主に3バックの左でプレーしてリーグ戦29試合1得点。左足の正確なパスも武器で、A代表に招集されれば初めて。CB陣には主力2人に加え、DF板倉滉(25)=シャルケ、DF谷口彰悟(30)=川崎=もいるが、序列を一気に覆す可能性もある。
6月のブラジル戦(6日、国立)にはFWネイマールら充実のメンバーが来日する。森保監督は「(ブラジルは)W杯本番をにらんだチームを作っている。個々のクオリティーを、(相手の)高いインテンシティー(プレー強度)、ハイスピードのなかで出せるかを見たい。ホームで勝てる準備をしたい」と見据えた。W杯で戦力になり得るか、テストを重ねる。(山下幸志朗)
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