(セ・リーグ、DeNA2―9阪神、6回戦、DeNA4勝2敗、14日、横浜)調子はよくなかったが、エースの責任は果たした。阪神・青柳が6回を投げて8安打されながらも2失点にまとめて今季4勝目。41回⅓で規定投球回に到達し、防御率1・09でリーグトップに躍り出た。
「もっと長いイニングを投げて、しっかりずっと規定(投球回)に乗れるように頑張りたいと思います」
右腕は決意を新たにした。新型コロナウイルス陽性判定を受けて、今季初登板は4月15日の巨人戦(東京ドーム)。同22日のヤクルト戦(神宮)で完封勝利してから3試合連続完投と巻き返した。球団では2003年の井川慶以来となる4試合連続完投の偉業はならなかったが、初めて無四死球での勝利をつかんだ。
「思い通りのところに投げられなかったので、タイミングをずらしたりした。打たれた部分も多かった、工夫はできたのかなと」
2点を先制した直後の一回、2死三塁から牧にツーシームを左前に運ばて失点したが、四回先頭の打席ではクイック投法も交えて空振り三振に仕留めた。
横浜市出身の青柳は「知人や知り合いが応援に来てくれるので」が口癖。この日の横浜スタジアムには球団史上最多動員を更新する3万2481人が入り、青柳の母・利香さん、兄・勇輝さんも応援に駆けつけ、スタンドからの後押しにも勇気づけられた。これで〝地元〟で通算6勝1敗だ。
大野雄と投げ合った前回6日の中日戦(バンテリンドーム)では、延長十回にサヨナラ打を浴びて1失点で〝完投負け〟。今回は打撃陣の援護を受けての投球となったが、矢野監督は「打線もヤギ(青柳)に借りがあったんで。でも、たくさん点を取ってくれた中での投球は簡単ではない」とねぎらった。
「野手が打ってくれたから楽に投げられた。僕自身は、何もできなかった。周りに引っ張ってもらって、何とか六回まで投げられた」と青柳。次回は中5日で、20日の巨人戦(甲子園)での先発が有力。今季リーグトップ3完投の〝鉄腕〟が、次は最後までマウンドに立つ。(三木建次)
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