滝沢(右)は増田から勝利球をもらって満面の笑み。デビュー戦でキラリと輝いた(撮影・加藤圭祐) (パ・リーグ、西武4-2楽天、6回戦、3勝3敗、13日、ベルーナD)激動の一日。西武の育成ドラフト2位・滝沢夏央(なつお)内野手(18)=新潟・関根学園高=は、最後はお立ち台に上がっていた。
「夢のような景色。朝から緊張しっ放しでしたが、最高の気持ちです」
試合前に支配下選手契約を結び、背番号は126から62、年俸は280万円から450万円へ。そればかりか、即「2番・遊撃」で先発出場。「マジか?」。驚きを隠せない中、三遊間を組む中村から「思い切って緊張してこい!」とグラウンドに送り出された。
身長164センチ。大相撲なら167センチ以上という規定がある新弟子検査に合格できない。20年度の学校保健統計によると、中学3年男子の平均身長は166・1センチ。それよりも低い。もちろん、現プロ野球界で最小兵だ。
「泥臭さが自分のプレースタイル。この身長でもプロ野球でやれるという夢や希望を与えられる選手になりたい」
入団時から「守備だけなら1軍」と高評価されていたとおり、6度の守備機会を無難にこなし、リプレー検証で2度もセーフからアウトに判定を覆させた。逆転された直後の六回には先頭で二塁内野安打。敵失も誘って二進すると、続く外崎の浅い左前打で50メートル5秒8の俊足を飛ばして本塁へヘッドスライディング。辻監督は「あの走塁が今日のキーだった」と称賛した。
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