54歳の谷口が好スタート。若手との争いに自信を見せた ダイヤモンドカップ第1日(12日、茨城・大洗GC=7163ヤード、パー70)ツアー20勝の谷口徹(54)=フリー=が4バーディー、1ボギーの67で回り首位に2打差の6位と好スタート。シニアツアーにも出場する鉄人が、9年ぶりの開催となる難コースを熟練の技で攻略した。前年覇者の星野陸也(26)=興和=も6位。65で回った岩田寛(41)=フリー=と大西魁斗(かいと、23)=ZOZO=が首位に立った。
名門・大洗での好スコアとは裏腹に、谷口の口からはボヤキがこぼれた。「下手になったな…」。9年ぶりの同コースでの開催。以前に比べて飛距離は落ち、体力の衰えもある54歳。だが経験と技術は、難コースでこそ輝きを放った。
「リカバリーとパットがよかった。大洗は久しぶりだけど、道具の進化で、(コースが)必ずしも易しくなっているとはかぎらない」
インから出ると、国内屈指のフェアウエーの狭さに「(1Wが)曲がってばっかり。最初の4、5ホールはクタクタ」。ならば、と18番からティーショットは5Wに持ち替え、距離を抑えて正確性を重視した。
ストレスが減ると、持ち味のショートゲームもさえた。後半の1番(パー4)で7メートル、5番(パー4)は16メートル先のカップに大きな弧を描き、2度のチップインバーディー。3番(パー4)ではピン手前15メートルのパットをねじ込んだ。首位と2打差の3アンダーにも「ちゃんとゴルフができたら6、7アンダーも出なくはない」といい、満足はしなかった。
2019年に22年間保持した賞金シードを手放したが、18年の「日本プロ」を制した際の5年シードで戦っている。50歳以上のシニアツアーにも出場するため、レギュラーツアー出場は昨年の19試合より減らす方針だ。これまでのツアー最年長優勝は、02年「全日空オープン」で尾崎将司が記録した55歳241日。出場機会を減らす中で、今大会で優勝すれば史上2番目の年長記録となる。
「(第1日を終え)まだ早い。来年優勝できるように準備している。もちろん今年も優勝したいですよ」。不敵な笑みに、20勝を積み上げた自信が漂った。(阿部慎)
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