ダイヤモンドカップ第2日(13日、茨城・大洗GC=7163ヤード、パー70)首位と5打差の34位から出た稲森佑貴(27)=国際スポーツ振興協会=が7バーディー、1ボギーの64と伸ばし、通算6アンダーでトップと2打差の2位に浮上。次週にメジャー第2戦「全米プロ選手権」を控える中、2週前の「中日クラウンズ」に続くツアー通算4勝目を射程圏に捉えた。
一本道を駆け抜けた。狭いフェアウエーも、飛び出た松の木も関係ない。稲森が、この日ベストスコアの64をマーク。6季連続フェアウエーキープ率1位の力を、名匠・井上誠一氏設計の難コースとして知られる大洗GCで発揮した。
「明確にティーショットを『点』で打つようにしないといけないが、比較的できた」
多くの選手が窮屈な林間に苦しむ中、この日のフェアウエーキープ率は78・57%で1位タイ。しかも外した3ホールもすべて「ファーストカット(セミラフ)」で、「ラフには行っていない」と胸を張った。
1番(パー4)で残り140ヤードの2打目を6番アイアンでピン1・5メートルにつけバーディー。その後もスコアを伸ばした。最終18番(パー4)は霧もかかり「(ピンが)ブラインドになっていた」というが、2メートルにつけてバーディーで締めた。
2週前の「中日クラウンズ」でツアー通算3勝目。世界ランキングを133位から91位(現在93位)に上げ、19日開幕のメジャー第2戦「全米プロ選手権」(米オクラホマ州タルサ)の出場が決まった。「全英オープン」には2度出場しているが、米国でのメジャーは初。「速攻エントリーした」。気分の高揚もスコアを後押しする。
渡米便は、今大会最終日の15日の夕方。優勝すれば表彰式、記者会見…と仕事も増える。「(会見は空港から)ZOOMでお願いします、マジで」。冗談交じりに言うが、表情は真剣だ。一度決めたスケジュール。意志も決して曲がらない。(阿部慎)
▼稲森 佑貴(いなもり・ゆうき) 1994(平成6)年10月2日生まれ、27歳。鹿児島市出身。父の影響で6歳からゴルフを始める。2011年、鹿児島城西高2年時にプロテストに一発合格。18年10月の国内メジャー「日本オープン」で初優勝し、20年10月の同大会で2度目の優勝を遂げた。ツアー通算3勝。昨季まで6季連続でフェアウエーキープ率1位。169センチ、68キロ。
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