矢野監督の後援会「虎喜会」を代表して始球式を務めた富美夏さん (セ・リーグ、阪神0-3広島、7回戦、広島6勝1分、10日、甲子園)鬼門といわれ続けてウン十年のバンテリンドームで、ようやく今季初勝利をマークしたのが8日のこと。6日には大野雄大に完全試合を達成されかかったり、苦しみ抜いた中日3連戦だった。
ホッとしたのもつかの間、今度は本拠地で今季未勝利のカープと対戦することに。負のデータばかりが登場してくるのは、阪神が大きく負け越している証拠でもある。
数少ない〝いいデータ〟を並べて、少しでも気分よくなっていただきたい。そう思って、トラ番たちと調査してみた。
試合前の時点で対広島戦は12勝5敗。先発・西勇が、昨夜の相手と相性が特別にいいのは有名だ。データ通り、粘り強く、丁寧に、西勇は投げ続けた。でも、タテジマ打線も相手先発・床田に四苦八苦。たまには景気よく点が入るシーンを見たい。そう願うのだが、打線はあまりにも貧弱。どうして、こう欲求不満がたまる試合が多いのだろうか。
あきまへんなぁ!
弱おすなぁ!
どこからともなく聞こえてきた声に反論できないのが辛い。流れを変えるきっかけは、ないものか? そういえば試合前に女神が…。
京都五花街のひとつ、「宮川町」。古都の真ん中を南北に流れる鴨川のすぐ東側、そして東西に走る四条通の南側に位置する、由緒ある花街であります。京都で生まれ育った少年が、その通りを歩くと、格子戸が開き、芸妓さんや舞妓さんが現れたりして、すごくドキドキした記憶がよみがえってくる。
その宮川町からやってきて、甲子園の始球式を務めたのは舞妓さんの富美夏さん。艶やかなフォームから放たれた一投は、惜しくもワンバウンドだったが、スタンドの360度から、さらには阪神ベンチの矢野監督も、大きな拍手を送っていた。
過去にも、この時期に舞妓さんが甲子園にやってきて、「勝利の女神」の原稿が紙面を飾ってきた。負けが異常に込んでいる今年は、特にすがる思いが強くなる。
トラ番サブキャップ新里公章に美しき始球式の感想を求めてみた。
「すみません。いま、2軍戦のテーブルを作成しているので、ジックリとは見られなかったんです。キレイなことだけは分かりました」
年に一度あるかないかの、舞妓さんが投げるときぐらい、どれだけ忙しくても小休止して眺めそうなものだが、うちのサブキャップは、仕事優先、とにかくマジメなようで。当然、女神に祈ることもしていない。
代わりに読者のみなさまに祈っていただこうと思ったが、残念ながら、舞妓さんパワーも及ばない、苦しい試合展開。
そういえばもう一つ、〝いいデータ〟は発見していた。今季、広島の捕手陣の盗塁阻止率は・000。つまり、盗塁を試みたら100%成功する捕手陣なのだ。
最近、阪神はようやく足を絡めた攻撃を開始していた。近本、中野、佐藤輝、熊谷…。スタメンに走れる選手をそろえて、ヨシッ! と思ったが、ほとんど塁に出なければ走れない。好データの持ち腐れ。残念どす!
阪神さん、ぎょうさん、負けはりますなぁ! これ以上負けるのは堪忍しておくれやす!
舞妓さんの声ではありません。京都出身、「虎のソナタ」の声です。念のため。
この記事をシェアする