七回、同点2ランを放ち、大喜びの大山。チームを救った(撮影・水島啓輔) (セ・リーグ、中日3-4阪神、8回戦、中日5勝3敗、8日、バンテリンD)限りなく濃くなっていた敗色を、ピンクのバットで一変させた。チームへの思い、支えてくれる人たちへの感謝の気持ちを白球に乗せて、スタンドへ届けた。4番から、前日は6番、この日はさらに7番まで降格した大山が、もう黒星しか待っていないと思われた七回に同点の5号2ランだ。
「もちろん、母の日は特別な日ですけど。ここまで自分自身、チームのためにできていなかったところがあるので、そこで打ったのはよかった」
浮き沈みが、そのままチームの浮沈に直結する男だ。打順も何もかも、もう沈み切った。この日も0-0の二回1死二、三塁の絶好機で見逃し三振に倒れ、チームともども追い詰められていた。
1-3のまま七回に突入し「六回終了時にビハインドなら0勝16敗」という負のデータも忍び寄ってきた。先頭の糸原が中前打で出て無死一塁。フルカウントから低めへ鋭く曲がってきた柳の115球目、スライダーを母の日のピンクバットで捉えた。4月29日の巨人戦(東京ドーム)以来の一発で、チームとしても同30日の巨人戦(東京ドーム)の山本以来7試合&63イニングぶり、5月初の待ちに待った本塁打だった。
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