春季高校野球・茨城大会(明秀学園日立9-3つくば秀英、5日、JCOMスタジアム土浦)決勝が行われ、明秀学園日立が9-3でつくば秀英に勝ち、5年ぶり2度目の優勝。ハワイ出身の4番・石川ケニー外野手(3年)が先制3ランを放つなど、4安打3打点と活躍した。
「痛みはあるけど、試合になったら気にしていられない。変化球を狙って打ちました」
一回1死一、二塁で、相手左腕の塚越が投じた内角カーブを一閃。高校通算24号は右翼席に飛び込んだ。
ホームランボールを手に笑顔の明秀学園日立・石川ケニー決勝の1週間前に腰椎の疲労骨折が判明した。それでも、医師の許可を取り、痛み止めを服用しながらフル出場した。「(病院の)先生からこんなに痛みに強い子は見たことがないと言われました」という〝鉄人〟を金沢監督は「石川が打てば勝てる」とたたえた。
父・則良(のりき)さんと、米国出身の母・デニースさんに育てられた日米ハーフのケニー。ハワイ生まれだけに「暖かい方が体が動いていい」とニッコリ。高校生活最後の夏は心身ともに最高の状態に仕上げる。(武田千怜)
■石川 ケニー(いしかわ・けにー)2004(平成16)年4月7日生まれ、18歳。米ハワイ州マノア出身。小学2年時に来日。4年から横浜・瀬谷リトルで野球を始め、原中では瀬谷リトルシニアに所属。明秀学園日立高では1年秋からベンチ入り。2回戦で敗れた今春の選抜大会は2試合に出場し、9打数2安打1打点。176センチ、75キロ。左投げ左打ち。家族は両親と兄2人、妹2人。