山田が一回に先制アーチ! 4安打2打点の活躍で快勝劇に導いた(撮影・林俊志) 〝YM砲〟がさく裂!! ヤクルトは27日、広島3回戦(マツダ)に8―2で大勝した。3番・山田哲人内野手(29)が一回、左翼席へ先制の5号ソロを放つなど4安打2打点と活躍すると、若き4番・村上宗隆内野手(22)も四回にバックスクリーン左へ6号2ランを放つなど3安打3打点。打線が組み替わる中、不動の3、4番が今季2度目のアベック弾で貯金1をもたらした。
これが、燕打線だ。14安打8得点の猛攻で敵地・マツダスタジアムを席巻。主軸が躍動し、序盤から主導権を握っての大勝に、高津監督も充実した表情を浮かべた。
「哲人(山田)の1点も大きかったし、塩見の1本だったり、ムネ(村上)の一発だったり、ほしいところで点が取れた。非常につながりのある点の取り方だった」
不動の3、4番が勝利に導いた。この日は6試合ぶりに塩見が1番に入り、浜田が5番で先発出場。試合前の時点でリーグトップの防御率1・65だった床田に対し、リーグ最低のチーム打率・225だった打線を組み替えた。それでも〝YM砲〟の並びは不変。口火を切ったのは山田だ。
一回、左翼席へ5号先制ソロ。11試合ぶりの一発で勢いをもたらした。二回に中前適時打を放つなど、自己最多に並ぶ1試合4安打で2打点。「ファウルも少ないし、一振りで決められている。調子が上向いていると思う」とうなずいた。
4番・村上も続いた。四回1死から一走に山田を置いてバックスクリーン左へ6号2ランを放ち「手応えはないほうだった。押し込めたホームランだった」。控えめに振り返ったが、前半でリードを広げる貴重な一撃。今季初の猛打賞(1試合3安打以上)を記録し、状態は上向きだ。
村上は山田に負けじと四回に2ラン。3、4番の本塁打そろい踏みだ(撮影・林俊志)アベック弾は今季2度目(通算26度目)で、白星は初。山田は「大事な3、4番ですし、先頭に立ってやっていかないとチームが乗っていかない。自覚を持ってやっていきたい」と頼もしく語る。
2人は7学年差。山田の誕生日に年下の村上がスニーカーを贈るなど仲が良いが、互いに刺激し合う関係性だ。かつて山田は、村上の「目」を見て感じたことがあった。
「例えば(村上が)『哲人さん、ナイスバッティングです』って言っても、『俺も負けない』って目をしている。常に上を目指しているというか、いい目をしている。僕も若い頃はそういう目をしていた」
リーグ優勝した2015年。山田は川端と首位打者を争い、打率・336で1位の川端に7厘差及ばなかった。「慎吾さんが打って勝ったらうれしいけど『絶対、次は俺も打つ!』って思っていた。村上の目を見て、あのときの自分の目だと思い出した」。左右の大砲は、言葉を交わさずとも高め合う。
塩見が六回に駄目押しの4号ソロ放つなど打線が活発で、貯金は再び1。山田は「続けることが大事なので途切れないように」と気を引き締めた。打線は変われど、動かぬ、変わらぬ2人の存在。これぞ、燕打線だ。(赤尾裕希)
★塩見は4号ソロ!! 〝定位置〟で躍動した。直近5試合で5番に座っていた塩見が、6試合ぶりに「1番・中堅」で先発出場。二回に左前適時打を放つと、六回先頭では右翼席へ7試合ぶりの4号ソロを放ち「チームの勢いに乗せてもらって打つことができました」。打線の組み替えについて高津監督は「投手やその日の状況に応じていい打順を探して、これからもやっていくつもり」と説明した。
■データBOX
❶ヤクルト・山田と村上のアベック本塁打は5日の中日戦以来、通算26度目。アベック弾が出た試合でチームが勝利したのは今季初で、昨年9月26日の中日戦以来。チームの勝敗は13勝12敗1分け。
❷山田が1試合4安打。猛打賞(1試合3安打以上)は3月27日の阪神戦以来、今季2度目。1試合4安打は自己最多タイで、昨年6月12日のソフトバンク戦以来、通算20度目。
❸村上が今季6号。チーム25試合目での到達は、昨年の15試合目に次ぐ自身2番目のスピード。通算110本塁打となり、ヤクルト(前身を含む)では歴代19位のロジャーに並んだ。最多は池山隆寛の304本。
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