横浜スタジアムでの練習前に話をする遠藤コーチ(中央)。その言葉に選手も真剣な表情で耳を傾ける(球団提供) 三浦監督(右奥)提案の合言葉「全開バリバリ」が記されたボードに選手は笑顔 (撮影・荒木孝雄)DeNAは今季、日本のプロスポーツチームで初めて日本スポーツ心理学会の有資格者がコーチとして常駐する「メンタルスキルコーチ」の制度を導入した。昨夏の東京五輪で金メダルを獲得した女子ソフトボール日本代表を支えた遠藤拓哉氏(35)を招聘(しょうへい)。昨季最下位からの〝反撃〟を目指す中、技術面だけでなく精神面も重視する新たなチームづくりの舞台裏に迫った。(取材構成・浜浦日向)
DeNAが、また新たな風を球界に吹き込む。今季は石井琢朗氏、斎藤隆氏、鈴木尚典氏ら1998年の日本一メンバーのコーチ就任が話題を呼んだが、実はその裏でもう一つの〝コーチ改革〟が進められていた。
迎え入れる左端が遠藤拓哉氏それが「メンタルスキルコーチ」のポスト新設。日本スポーツ心理学会の有資格者が、プロ野球に限らずプロチームに常駐する前例のない取り組みをスタートさせた。
きっかけは2019年。提携関係にある米大リーグ、ダイヤモンドバックスのキャンプ視察だった。球団は、メジャーで導入されていたメンタルコーチの重要性を認識。リモート講義をコーチ教育に取り入れ、さらに今回、日本の第一人者である遠藤氏の招聘に動いた。
遠藤氏は福島・相馬高サッカー部出身。メジャーでメンタルコーチを務めた草分け、ケン・ラビザ氏(故人)の著書に感銘を受け、高校卒業と同時に単身渡米した。大谷翔平投手が所属するエンゼルスの現監督、ジョー・マドン氏とも親交が深かったラビザ氏に〝突撃〟して弟子入り。大学・大学院での学びの中で修業を積んだ。
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