五回2死一、三塁。金久保は梶原を空振り三振に斬り、雄たけびを上げた(撮影・今野顕) (セ・リーグ、DeNA2-3ヤクルト、3回戦、ヤクルト2勝1敗、15日、横浜)ヤクルトは今季初登板の金久保優斗投手(22)が6回6安打2失点で初勝利。気温10度前後で、強い雨にさらされながらも、序盤から安定していた。
「いい緊張感でマウンドに上がれた。勝ててうれしい。練習してきたシンカーをうまく使いながら投げることができた」
18個のアウトのうち、10個を内野ゴロで打ち取った。四回までは二塁も踏ませず、五回は1死から連打を浴び、2死一、三塁のピンチを背負ったが、D6位・梶原(神奈川大)を147キロの外角直球で空振り三振に斬った。
武器は〝動く直球〟だ。通常は人さし指と中指の先をボールの縫い目にかけるのが一般的だが、金久保は野球を始めたころから、両指の第一関節付近を縫い目の上に置いて投げている。これにより、回転数が少なくなるため、打者の手前でやや沈むのが特長。キャッチボール相手には捕球しづらいため、「気持ち悪い」と呼ばれるほどだ。右打者の内角へ食い込み、左打者には外角から逃げるように沈む新球のシンカーも効果的に使った。
今季一勝目をあげたヤクルト・金久保=横浜スタジアム(撮影・今野顕)チームは奥川が上半身のコンディション不良で離脱し、小川、石川は登板間隔を空けるために出場選手登録を抹消。野手もサンタナら故障者が増えているが、若手の奮闘で再び貯金1となった。
「今季はローテーションで回って1勝でも多く勝ちを付けていきたい」と金久保。3週間遅れの〝開幕〟で好スタートを切った。(横山尚杜)
■金久保 優斗(かなくぼ・ゆうと) 1999(平成11)年11月4日生まれ、22歳。千葉県出身。東海大市原望洋高では2年秋からエースで4番として活躍し、3年春に甲子園出場(1回戦敗退)。2018年ドラフト5位でヤクルト入団。同年に右肘内側側副靱帯(じんたい)再建術を受けた。昨季は4月14日のDeNA戦でプロ初勝利を挙げるなど4勝1敗、防御率2・74。通算成績は14試合で5勝1敗、防御率3・22(15日現在)。183センチ、74キロ。右投げ左打ち。独身。年俸1200万円。背番号48。
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