後半29分にゴールを決め、駆け出すC大阪・FW北野颯太(左)=ヨドコウ桜スタジアム (ルヴァン杯、1次リーグA組、第4節、C大阪1-3鹿島、13日、ヨドコウ桜スタジアム)A組の首位C大阪が鹿島に1―3で敗れ、4連勝を逃して初黒星を喫した。勝ち点9のままで1次リーグ突破は次戦へお預けとなったが、先発した17歳のFW北野颯太が後半29分にゴールを決め、存在感を示した。
1次リーグ突破はお預けとなったが、敗戦の中にも光明が差した。右サイドで先発した17歳のFW北野がホームで初ゴール。この日、サポーターを最も盛り上げた。
「ジョーくん(FW上門)がボールを落としてくれると信じていた。あとは決めるだけでした」
0-2の後半29分、右サイドの崩しから中央に侵入し、左足を振り抜いた。ゴール後は一瞬喜ぶ素振りを見せたが、逆転を目指し、すぐさまボールを拾い上げに向かった。本職はFWながら、右サイドから両チーム最多5本のシュートを放ち、「FWだけじゃないところは示せたのかな。決めきるところは新たに課題になった」と悔しがった。
今年2月、高校3年生ながら飛び級でプロ契約を結び、3月のルヴァン杯・鹿島戦でFW南野拓実(現リバプール)の記録を抜くクラブの最年少得点を達成。スピードとスプリント回数を武器に、常に相手を脅かすアタッカーだ。3月に行われた19歳以下の日本代表合宿後には「ここで満足してはいけない。パリ五輪に出ないとA代表に近づかないし、チームで結果を残して(五輪の)メンバーに入れるように」と話し、野心を持って2024年パリ五輪、A代表入りを見据える。
「だんだんプロのスピード感にも慣れてきたので、あとは点を取り続けるだけ。自分が点を取って勝つ試合を増やしていきたい」
この日がプロ初のフル出場だった北野は、「期待の若手」ではなく「主力の一員」としての自覚をにじませた。桜のワンダーボーイの勢いにも引っ張られ、次こそ1次リーグ突破を決める。(邨田直人)
■北野 颯太(きたの・そうた) 2004(平成16)年8月13日生まれ、17歳。和歌山・有田市出身。小学4年時にアルテリーヴォ湯浅でサッカーを始める。中学でC大阪の下部組織に加入し、2種登録の選手として20年、J3のC大阪U―23で公式戦デビュー。今年3月のルヴァン杯・鹿島戦でクラブの最年少記録となる17歳6カ月17日でプロ初得点。172センチ、60キロ。
この記事をシェアする