1994年5月18日の広島戦で完全試合を達成した巨人・槙原(右から2人目) 「阪神命」の虎党には申し訳ないが、阪神戦のテレビ中継を横目に、ずっとロッテvsオリックスを見ていた。
「阪神以外は興味ない」というタテジマ一筋ウン十年のファンには猛烈に叱られそうだが、やっぱり完全試合はスゴイ。野球記者である以上、一度はその現場に居合わせたいと願いつつ、果たせぬまま30数年。テレビ画面を通してだが、目撃できたことは、幸せだ。
「実は、僕も先輩方に注意されるかもしれないとおびえながら、甲子園の記者席でこっそり佐々木朗のピッチングを見て、声援を送っていました」
トラ番・織原祥平の行動は、〝阪神を必死で取材をして、阪神ファンのために記事を書く〟トラ番としては、ホメられた行動ではない。が、野球記者としては決して間違っていないと思う。同じゼロ行進でも、タイガースのゼロ行進は目を覆いたくなるし、完全試合に向かってのゼロ行進は見たい。そりゃ、そうだ。「虎のソナタ」的にはホメたい。
「タイガースは苦しいですねぇ。点が取れないんですから。佐々木朗が阪神に来てパーフェクトに抑えても、点が入らなかったら勝てないわけです」
どうすればいい?
「う~ん。ただ、僕は投手担当です。投手陣が我慢して抑え続けることを願うしかないんで。12日は西(勇)さんが先発。完全試合ではないけれど、ノーヒットノーランを達成した投手ですから、期待したいです」
チームに密着取材する織原も苦しそうだ。ムードもいいはずはないだろう。
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